プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は6月4日、"レジリエントセキュリティ"を実現するサイバーセキュリティ対策の新サービス「スレットインテリジェンスサービス」と「アドバンストSOCサービス」の提供を開始すると発表した。

サイバー攻撃が年々高度化、複雑化していることから、防御一辺倒の対策だけでは難しいとしており、これまでのセキュリティ対策から脱却して、攻撃を受けることを前提に、迅速に対応できる「レジリエントセキュリティ」と呼ばれる概念の実現が重要としている。レジリエントは「回復力に富む」や「弾力性のある」「立ち直りが早い」といった意味を持つ。

PwCでは、現在セキュリティ戦略の立案や各種セキュリティポリシーの評価、セキュリティ管理体制の構築など、コンサルティングサービスを行っているが、これらに加えて、レジリエントセキュリティを実現する2つのサービスを提供する。

スレットインテリジェンスサービスでは、PwCが世界中の脅威情報を収集して得たサイバー脅威の最新動向や国内で発生しているサイバー攻撃を国内で独自に分析。これらの情報をまとめた「スレットインテリジェンス」を構築している。このインテリジェンスと既存のコンサルティングサービスの融合により、最新動向を反映した"レジリエントセキュリティ"を実現するとしている。

具体的な業務としては、セキュリティリサーチのほかに、デジタル・フォレンジックやマルウェア解析、ペネトレーションテスト、Webアプリケーションの脆弱性診断などをオンデマンドで提供するとしている。

続く「アドバンストSOCサービス」では、専任スタッフがクライアントに対して24時間、365日態勢でアラート監視を行い、インシデントの把握や原因究明を行う。スレットインテリジェンスとの連携により、潜在的な攻撃の検知も行うとしている。万が一インシデントが生じた場合でも、高度分析を事前に行っているため「問題解決までの時間を短縮できる」(リリースより)とのことだ。

具体的な業務としては、セキュリティイベント対応プロセスに基づく初動対応のほか、原因分析、脅威情報や脆弱性情報の提供、セキュリティ改善法作の提案などを行うという。

これら2つの新サービスの提供にあわせ、PwC内に分析・・研究活動の中心となる専門チーム「スレットリサーチラボ」を新たに設置する。サイバーセキュリティ研究を行っている同社パートナーの星澤 裕二氏が統括責任者として就任し、ほかに10名のスペシャリストで構成されている。今後3年間で同ラボの人員を約50名まで拡充、年間売上高10億円を目指すとしている。