日本HPは6月1日、スケールアウト・コンピューティングに特化したというx86サーバ・シリーズ「HP Apollo」ファミリーの最新モデルとして、「HP Apollo 2000 System」を発売した。

新製品は、データセンターにおけるスペースや電力、冷却面での課題に、高密度化による設置スペースの削減、ラックレベルでの電力管理と最適化、空冷デザインで対応するという。

また、汎用型またはハイパフォーマンス・ワークロードを処理する従来型データセンターにも提供できるよう設計しているという。

「HP Apollo 2000 System」は、2Uのシャーシで最大4台の2ソケット・サーバを稼働させることで、従来型1Uラック・サーバの2倍の密度を実現し、既存の業界標準ラックを利用可能なフォーム・ファクタを持ち、従来型データセンターに即座に導入可能という特長がある。

また、ワークロードに最適化した2種類の「HP ProLiant XLライン」の利用、2Uシャーシ内の各サーバは構成もメンテナンス性も完全に独立、TDP 145Wのプロセッサのサポートに加えて各種アクセラレータのサポート、近日提供予定の新しいドライブ・ゾーニング機能で各ノードのハードドライブ数を柔軟に構成可能であり、構成を柔軟に選択できるという。

さらに、サーバ単位の管理を自動化する「HP iLO4」を標準搭載し、ラック単位の電力の一括管理を実現するオプションの「HP Advanced Power Manager」(APM)とクラスタごとの一括管理を実現するソフトウェア・オプションである「HP Insight CMU(Cluster Management Utility)」を利用可能だ。

同製品は、「HP Apollo r2000 シャーシ」「HP ProLiant XL170r Gen9」「同XL190r Gen9」の3製品で構成する。

Apollo r2000 シャーシは、最大4台のHP ProLiant XLラインが独立したメンテナンス性を持ちながら稼働し、電力・冷却のインフラを共有するという。

XL170r Gen9は、インテルXeon E5-2600 v3プロセッサ2基と16基のDIMMスロットによる最大512GBのメモリを搭載可能な、1Uハーフワイドのサーバ・トレイであり、高密度化に適するとのこと。また、2つのI/O拡張スロットにより各種のネットワーク・オプションを利用可能。1U×4サーバ構成時でHDD別売の税別価格は136万1,000円から。

HP ProLiant XL170r Gen9の外観

XL190r Gen9は、XL170r Gen9をベースに拡張性を強化した2Uハーフワイドのサーバ・トレイ。インテルXeon PhiコプロセッサおよびNVIDIA Tesla GPUアクセラレータを2枚搭載可能であり、パフォーマンス向上を実現するとしている。2U×2サーバ構成時でHDDとアクセラレータ別売の税別価格は90万7,000円から。

HP ProLiant XL190r Gen9の外観