物質・材料研究機構(NIMS)は5月18日、東京工業大学の細野秀雄 教授らとともに、超電導物質の探索に関して、超電導特性を示さなかった「失敗例」を含む共同研究の結果をオープンアクセスアクセス誌「Science and Technology of Advanced Materials」公開した。
通常の研究論文では成功例のみ報告されるため、別の研究で同じ失敗が繰り返される可能性がある。今回の発表には、新たに発見された超電導体とともに、超電導が認められなかった約700種の物質を含む1000種のリストが収録されている。発表に至った背景には「世界中で無駄な努力を避け、超電導分野の研究を推進したい」という研究チームの総意があったという。
研究チームの細野教授は「これはおそらく、検討したが超電導を示さなかった物質のリストを含む初の論文です。超電導の研究者にとって貴重なデータとなるはずです」とコメントしている。