ミック経済研究所は、国内におけるEC(電子商取引)のネット決済代行サービスを対象とした「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望 2015年度版」を発刊した。

これによると、ネット決済代行サービス市場規模は、2014年度で1,518億円、2015年度で前年度比116.7%の1,772億円となる見込だ。

ネット決済代行サービス市場規模推移 資料:ミック経済研究所

経済産業省の「平成25年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、日本の消費者向けEC市場規模は、2012年が9兆5,130億円で、2013年は前年比117.4%の11兆1,660億円に拡大し、好調な伸びを示している。

2013年のEC化率も、2012年の3.11%から3.67%へと0.56ポイント(増加額1兆6,530億円)上昇。アクセサリー小売業や医薬化粧品小売業、宿泊・旅行業、飲食業などが大きく伸び、順調な市場規模拡大傾向が続いている。

また、同社によると、個人でも簡単にECサイトを立ち上げることができるサービスや、Yahoo! ジャパンの出店無料化等の影響により、ECに新しく参入する事業者や個人が増加。

加えて、EC専業の中小規模ショップだけでなく、ECサイトと実店舗の両方を持つ事業者や直接消費者に販売するメーカー直販サイトなど、ネットも重要な販売チャネルとして注力する企業が増え、ネット決済代行サービス事業者にとっての顧客が増えているという。

ネット決済代行サービス市場規模推移(グラフ) 資料:ミック経済研究所

なお、「ネット決済代行サービスを提供する各社は、アジアを中心に海外での決済代行サービスの展開や実店舗(対面販売)向けの決済ビジネス展開など、ビジネスの領域そのものを拡げる動きをしつつある」と同社は説明する。

集客支援や請求管理など、EC事業に付随する付加価値サービスに注力する企業もでてきており、激しい競争の中で今後も国内のEC市場は好調な伸びが続き、EC化率の更なる上昇が見込まれ、ネット決済代行サービス市場も高成長が続くと予測。2015年度から2019年度まで平均成長率14.9%で推移し、2019年度には3,045億円の市場規模になると推測するそうだ。