日本IBMは5月12日、昨年の4月に発表した新世代プロセッサ「POWER8」を搭載したPower System 2機種を発表した。新たに発表したのは、E750/E760の後継モデルとなる4ソケットシステムの「IBM Power System E850」と、プロセッサーを192コアまで、メモリーを16テラバイトまで拡張可能な「IBM Power System E880」の2機種。

「IBM Power System E850」

新製品は、月額課金のサブスクリプションモデルを採用しており、メモリやCPUを必要なときに拡張できる。

Power Systemsの新ラインナップ

4ソケットシステムのE850は、スペア(未起動)のプロセッサを搭載しており、障害が起きそうなプロセッサを動的切り離しする際、スペアのCPUを自動的に割り当て、パフォーマンスを劣化させない、キャパシティー・オン・デマンド機能を搭載し、最大70%の使用率を保証する。E850は、マルチテナント・ワークロードを安全かつ効率的に展開したいと考えているクラウド・サービス・プロバイダーや中規模から大規模の企業に最適なソリューションだという。最小構成価格は、1,398万円(税別)で、6月5日から出荷を開始する。

「IBM Power System E850」概要

キャパシティー・オン・デマンド

E880は、プロセッサーを192コアまで、メモリーを16テラバイトまで拡張可能。出荷は6月5日から開始される。

また今回、すべてのPOWER8搭載サーバーでSAP HANAをサポート。PowerVMによる仮想化を実装しており、既存のERPやCRMなどの基幹系システムとSAP HANAを同一筐体で稼動させることも可能。さらに、日本のユーザーからのリクエストにより、I/Oドロワーによる、PCIeスロットの拡張も実現させている。

I/Oドロワーによる、PCIeスロットの拡張

日本IBM 常務執行役員 システムズハードウェア事業本部担当 武藤和博氏

日本IBM 常務執行役員 システムズハードウェア事業本部担当 武藤和博氏は、「新製品はハイブリッド実現に向けた新しいPowerSystemsだ。現在は一兆台のデバイスがインターネットにつながっており、これらのデータをどう分析していくかがテーマだ。また、クラウドへのビジネスモデルのシフトが起きており、オンプレミスとクラウドをどう使い分けていくかもテーマになっている。IBMはどうすればパブリックとプライベートを透過的に使えるかをテーマにソリューションを提供していく。お客様にとっては、見えない部分、つまりインフラの部分をどう強化するかがテーマで、われわれが強みを発揮できる部分だ」と述べた。

同社では拡販に向けた施策として、SAPジャパン本社内に「IBM & SAP HANA検証センター」を設置するほか、ハイブリッド。クラウド構築のための無償コンサルテーションを提供。さらに、Linux on Power Systemのスタートキャンペーンとして、Power8搭載のLinuxサーバを96万円(税別)で提供する。

拡販施策