首都高速道路は4月24日、3月7日に開通した中央環状線(高速湾岸線~高速3号渋谷線)の開通後1カ月の交通状況および整備効果を発表した。

発表によると、中央環状線の全線開通により、都心に集中する交通の分散が図ることに成功。2014年と比較すると、都心環状線の交通量が約5%減少、渋滞損失時間が中央環状線内側で約5割減少、首都高速全線においても約4割減少。首都高速全線の渋滞損失時間の減少分は、約1万2000人分の労働力に匹敵するという。

混雑緩和に伴う所要時間のばらつきの減少によって定時性が向上した。例えば、新宿~羽田空港のばらつきが30分から15分に半減した。利用者にとってリスク(遅れ)を見込んでいた無駄な行動時間の軽減が期待できる。

羽田空港のリムジンバスは、4月のダイヤ改正から混雑時の所要時間が最大15分短縮して設定されており、定時性の向上と合わせて、利便性が大幅に向上。また、物流や観光事業においても、具体的な効果が現れ始めているという。

一般道路では、今回開通した区間と並行する山手通り、環七通りなどから中央環状線への交通転換が図られ、それに伴い、混雑している時間帯での所要時間については約1割~3割の短縮が見らるという。山手通りに並行する区道において、大型車交通量が減少し、自転車走行の安全性向上の効果も得られているという。

中央環状線(西新宿JCT~熊野町JCT間)や3号渋谷線等の混雑箇所は、拡幅による車線増等の渋滞対策を引き続き進めるとともに、効率的なルート選択が可能となる情報提供等の追加対策を検討・実施するとしている。