KDDIは4月16日より、法人向けiOS端末のセキュリティ管理を強化するApple提供のサービスプログラム「Device Enrollment Program(DEP)」を採用した「Device Enrollment Program 登録サービス(DEP 登録サービス)」の提供を開始する。AppleのDEPを利用したサービスは国内事業者初。

このサービスは、デバイス情報の事前登録と、法人ユーザーのセキュリティポリシーに基づくMDM(Mobile Device Management)や業務アプリケーションなどの紐付けが行える。これにより、iOS端末の初期設定時に、MDMやセキュリティの設定が自動的に実行されるため、デバイスのキッティング(導入の初期設定)が簡単になる。

加えて、利用者自身でMDMの設定変更や削除が行えなくなるため、企業が設定したセキュリティポリシーを保てることになる。この2点から「お客さまのビジネスのスピードアップとコスト最適化に寄与する」としている。

月額利用料や初期費用は無料で、KDDIが提供するiPhoneとセルラー版iPadを新規購入、または機種変更で購入した法人ユーザーが対象だ。

DEPで初期設定を手作業フリーへ

具体的な利用の流れとしては、KDDIがiPhoneやiPadのデバイス登録をDEPで行い、法人ユーザーの管理者もDEPで事前設定を行う。iOS端末を初期設定する際に、DEPに登録されたデバイスが設定を自動接続。DEPはMDMサーバーとのシステム連携により、iOS端末に自動的に設定が行われるようになる。

これまでのiOS端末の法人導入は、すべてMDMアプリやセキュリティポリシー設定を全て手動で設定する必要があった。今回のDEP提供で、Apple IDや位置情報設定、利用規約などの初期設定項目がすべてスキップできるほか、監視モードの遠隔設定も可能となる。監視モードは現在、Macにインストールした大規模導入時の設定ソフトウェア「Apple Configurator」からケーブル接続で設定していたが、これをリモートで管理できるようになる。

なお、NTTドコモによると、現時点で同社よりDEPは提供していないものの「対応する予定」(NTTドコモ広報部)としている。ソフトバンクも同様で、現時点ではDEPの提供を行っていないが、「対応する方向で検討中」(ソフトバンクモバイル広報部)としている。