松坂大輔(ソフトバンク)が出遅れたり、阿部慎之助(巨人)が早くも捕手に戻ったりと、波乱含みのプロ野球2015年シーズン。やっぱり、何が起こるかわからないからこそ、野球は楽しい。驚きとドキドキを求めて、今日もスタジアムに足を運ぶ人は多いはず。
そこでお薦めしたいのが『野球太郎No.014』の巻頭企画「絶対に"生でみるべき選手"名鑑2015」だ。野球太郎が誇るライター陣と編集部で激論を交わし、各部門別に"球場で直接見るべき選手"を選定した。その「守備部門」の選定過程の様子を実況中継していきたい。
〈選定会議参加者〉
■高橋安幸…昭和時代の名選手インタビューを続け、『野球太郎』やweb Sportivaなどで現在も連載を持つ。
■久保弘毅…元アナウンサーという異色の経歴を持つスポーツライター。神奈川のアマチュア野球と全国の社会人野球に強い。
■京都純典…セイバーメトリクスを中心にデータ関係の仕事を得意とする野球ライター。
■蔵建て男…ネットスカウトの草分け的な存在でプロスカウトとの交流も。
12球団随一の守備力を誇るオリックス外野陣
高橋:内野手はもう広島の菊池涼介で決まりでしょう。
──菊池はもう絶対的な存在の気がしますので、「意外とすごい! 」という選手をぜひ挙げていただきたいです。
久保:その意味でいえば阪神の今成亮太。僕好きなんです。たまたまテレビつけて「いいサードだなぁ」と思うと、今成であることが多くって。くるっと一回転してスローイングしたり、機敏な動きをしたります。本当にフルで使ってほしい選手です。
京都:阪神つながりでいえばセンターの大和。去年のクライマックスシリーズは、もう神がかってましたよね。
──外野手でいえば、駿太(オリックス)の肩と守備は魅力的です。
久保:確かに。大和の守備がいいのは、日本シリーズで一気に広まったことなので、期待感・お得感も含めて駿太の守備は推したいかも。
京都:そう考えると、オリックスの外野陣は豪華ですね。
──糸井に、坂口、T-岡田、そして駿太の誰がオリックス外野陣のレギュラーになるのか!? 今年のプロ野球の注目点の一つです。
久保:外野手でいえば、去年はパッとしなかった西武の秋山翔吾には奮起してもらいたいですね。
高橋:ロッテの岡田幸文はどうでしょう? 途中出場も多いですけども、間違いなく守備でお金が取れる選手です。
──確かに岡田の守備範囲はちょっと別格です。
うまいショートは今宮よりも……
――外野手のノミネートが多いので、内野手も挙げていただけますでしょうか。
蔵:選ぶべきというよりも、多くの人に見てほしいのはDeNAの山崎憲晴ですね。去年、ケガをして無理に出場したときにエラーをして、(守備率の)数字を落としてしまったんですけど、僕は一番うまいと思っています。ショートとして肩はあまり強くないけど、足さばき、グラブさばきは、アマチュア選手に見習ってほしい選手です。
久保:ショートに関していうと、ソフトバンクの今宮健太が過剰にもてはやされていますが、僕はオリックスの安達了一こそ、もっと多くの人に見てほしいショートだと思っています。
京都:今宮は身体能力に頼ったうまさですよね。でも5年後10年後、同じプレーができるかというと、そこは心配です。あと、ショートに関しては安達、山崎もいいんですけど、大引啓次(ヤクルト)もうまいと思います。
久保:うまさでいえばロッテ・クルーズのハンドリングが好きです。ヒジから下の柔らかさといったらもう! クルーズをショートにすればいいと思うんですけどね。
京都:去年、すごく長い距離のバックトスをしていました。新人の中村奨吾とどう使い分けるつもりなのかが気になります。セカンドでいうと、去年あまり良くなかったですけども、楽天の藤田一也の名前が出てないですね。
高橋:オリックスの平野恵一の名前も出てませんね。ケガがちなのがネックではありますけども。
蔵:東海大時代は平野のノックを見るのが試合前の楽しみでした。
久保:わかります! そして、その平野ですらショートで通用しないというプロの世界とは一体どういうところなのか? いろいろと考えさせられます。
週刊野球太郎
スマホマガジン『週刊野球太郎』では、黒田や松坂などメジャー出戻り選手に大注目! 「日本復帰成功なるか? メジャー出戻り選手を合否判定」、「タイツ先生のメジャー出戻り選手フォーム徹底解剖」、「必ず応援したくなる! メジャー出戻り選手たちが残した伝説」を連載します。『高校野球&ドラフト候補選手名鑑』では、センバツ甲子園で活躍した球児インタビューや野球部訪問を予定!