NECは4月8日、SDN(Software-Defined Networking)を利用して愛媛銀行のネットワーク基盤を構築したと発表した。NECによると、金融業界においてSDNを利用したネットワーク基盤の導入は初めての事例だという。

愛媛銀行は従来、システムごとに専用のネットワーク機器を導入・運用していたため、新たなシステム導入や設定変更に時間を要し、また設定変更作業が複雑なため、ネットワーク構成のシンプル化と安全性向上が課題になっていたという。

そこで同行は、顧客ニーズに応じたサービスを柔軟かつ迅速に提供可能とするためのインフラとして、ネットワークの統合管理・運用に適し安全に柔軟な変更が可能な、SDNを利用したネットワーク基盤の導入を決定したという。

従来のネットワークとSDNネットワークとの比較

新しいネットワーク基盤は、従来は勘定系システムや情報系システムなどシステム単位で準備していた複数のネットワーク機器を統合し、SDNを利用して仮想ネットワークを構築したもの。さらに、ネットワーク構成や通信状態の可視化も実現した。

NECは同ネットワーク基盤の導入により、愛媛銀行のネットワーク運用に関わる業務を年間約30%効率化することを見込んでいる。