博報堂行動デザイン研究所は3月25日、東京大学先端科学技術研究センター 渡邊克巳氏(専門:認知科学分野)の監修のもと実施した、生活者の「行動の習慣化」に関する調査の分析結果の一部をレポートにまとめ発表した。

同レポートは、2014年12月5日~12日、首都圏の20~69歳の男女を対象に、「習い事(540サンプル)」「コーヒー(男性300サンプル)」「ノンシリコンシャンプー(女性300サンプル)」に関して、インターネット調査で実施したもの。

行動デザイン研究所と東大先端研は、生活者の新しい行動がいかに定着し、また離脱にいたるのかという「行動の習慣化」、および「習慣行動の離脱」のプロセスを考察している。これまでマーケティング分野で理論的に解明されてこなかった「行動の習慣化」のプロセスを統計学、認知心理学の見地から解析し、要約として4つのトピックにまとめた。

それによると、意識項目と行動項目の比較においては、生活者の好意(意識)と行動はリンクしないことが明らかになった。意識項目で「とても好き+やや好き」と回答したものの、同時に「頻度を減らすつもり/頻度を減らした/やめようと思っている」と回答した人は、好意を持っている総数の6割程度に及んだ。

「好きだけどやめてしまう」人の割合

その一方、生活者の好意が減っているものの、習慣は惰性的に続いていると考えられることもわかり、生活者に最初の認知や理解を促すために「好意」を高めることは重要ではあるものの、継続的な習慣として根付かせるためには「好意」とは異なるアプローチを追求する必要があると考えられる。

レポートはここからダウンロードが可能だ。