Texas Instruments(TI)は、700nmから2,500nmの近赤外線(NIR)波長領域の携帯型分析器を実現するDLPチップセットを発表した。
同製品は、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)「DLP2010NIR」、電源管理デバイス「DLPA2005」とDMDコントローラ「DLPC150」で構成されるフルプログラマブルMEMSシステムチップセット。低消費電力動作、複数のプログラマブルな高速パターンや高振れ角を実現した5.4μmピクセルデザインなどの特長を備え、コンパクトな光設計を可能にする。
DLP2010NIR DMDは、分光計や化学用分析計をはじめとした、多様なハンドヘルドのNIRセンシングアプリケーション分野向けに開発されたDLPチップ。2次元の微小ミラーアレイとシングルポイントディテクタを組み合わせることで、リニアアレイシステムよりも低価格で高い精度の信号検出を提供する。700nmから2,500nmまでの広いNIR領域に対応し、高精度の分光分析や、多様な材料の計測を実現する。
小型サイズ、17度角のピクセルティルトにより、コンパクトな光学エンジン設計を実現、ハンドヘルドの組み込みシステムに適している。854×480個のマイクロミラーがプログラマブルに高速駆動できることで、先進的なフィルタリングを提供し、各種アプリケーションにおいて迅速な計測を実現する。
同チップセットとBluetooth や Bluetooth low energy 対応の評価モジュール(EVM)「DLP NIRscan Nano」を組み合わせることで、ポータブルのアナライザを簡単に試作し、ウルトラモバイルの分光計を迅速に開発できる。
同モジュールは、90cm3とポケットに入るフォームファクタで、900nmから1,700nmの高分解能の波長領域を提供、先行の高解像度EVM「DLP NIRscan」を継承。
TIのデュアルモードBluetoothワイヤレスネットワークプロセッサモジュール「CC2564」を組み込み、Bluetooth やBluetooth low-energyの各機能が、iOSやAndroidのアプリ開発各社に、EVMプラットフォームへのワイヤレス接続機能を構築する能力を提供する。
ARM Cortex-M4 CPU、1MBフラッシュ、256KB RAM、10個のI2Cモジュール、8個のUART、4個のQSPIモジュール、USB 2.0その他の豊富な機能を統合したマイコン「TM4C129x」が高度なコネクテッド製品を実現。バッテリーを追加する場合、 I2C制御またはスタンドアロンの動作を提供する2A単一セル用スイッチングモードUSBチャージャ「bq24250」が、高速、高効率かつ柔軟な充電機能を提供する。
DLP2010NIRとDLPC150は2015年4月に、またDLP NIRscan Nanoは2015年春に、TI Storeから供給される予定。DLP2010NIRは40ピンパッケージで、DLPC150は201ピンVFBGAパッケージで供給される。bq24250は4.0mm角の24VQFNと2.4mm×2.0mmの30DSBGAパッケージで供給中。