ジュニパーネットワークスは2月26日、国内企業のSDN(Software-Defined Networking)導入動向に関する調査結果を発表した。回答企業の52%がSDNの導入を予定する一方、48%はまだ導入する意向が無く、二極分化しているという。

この調査は、同社が国内のヘルスケア/教育機関/金融機関/行政機関の企業・組織におけるIT分野の意思決定者を対象として2014年12月に実施したもので、回答者数はこれら4分野の各100人で合計400人。

SDN導入意向が二極分化する傾向は、同社が2014年7月に米国の企業を対象に実施した調査と同様だという。しかし、2015年内にSDNを導入予定の米国企業は74%だったのに対して日本企業は43%であり、米国の方がより積極的にSDN導入に取り組んでおり、日本は米国より導入スピードが大きく遅れていると同社は分析する。

2015年内のSDN導入意向の日米比較

SDN導入の進捗度を日米で比較すると、「準備がすでに整っている」または「ほぼ整っている」と回答した企業は日米いずれも26%と同じであり、「ある程度整っている」と回答した日本企業は22%、米国企業は38%だった。SDNを導入する準備が「今後も整うことは無い」と回答した日本企業は24%だったが、米国企業では5%にとどまっている。

SDN導入進捗度の日米比較

SDN導入の最大のメリットをたずねたところ、日本企業では「ネットワーク運用の簡素化」が36%で最も高く(米国は19%)、以下「ネットワーク・パフォーマンスと効率性の改善」(日本が19%、米国は26%)、「運用コストの削減」(日本が16%、米国が13%)と続く。

SDNソリューションの選定時に最も重視する点を見ると、日米いずれも「高可用性と弾力性」が最も多い(日本が41%、米国が30%)。以下、日本では「拡張性」(25%)、「オープン性」(15%)、「サービス・チェイニング」(7%)と続く。米国ではオープン性は12%で4位となり、2位は「アナリティクスとレポーティング」(23%)、3位は「自動化と迅速なプロビジョニング」(19%)だった。

SDNの導入における課題は、日本企業ではコストが54%で最も多く、以下、セキュリティ上の懸念(44%)、既存システムとの困難な統合(36%)、社内人材のスキル不足(18%)が挙がっている。これらは米国でも同様に上位に挙がっており、課題は日米で共通しているという。

これらの結果を受けて同社のマーケティング責任者は、日本企業のSDN導入予定が米国を始め海外の企業より若干遅い傾向があるとした上で、多くの日本企業がまずは導入のリスクを減らすことに注力する傾向にあるためだと見ている。