ヴイエムウェア マーケティング本部 シニア プロダクト マーケティング マネージャ 桂島航氏

ヴイエムウェアは2月2日、仮想環境で共有ストレージを実現するソフトウェアの最新版「VMware Virtual SAN 6」、サードパーティのストレージ装置に仮想マシンをネーティブに認識させることができる「VMware vSphere Virtual Volumes」を発表した。

同製品は、同社の戦略「Software-Defined Storage」を進歩させる製品と位置づけられており、マーケティング本部 シニア プロダクト マーケティング マネージャ 桂島航氏が、同製品を紹介する前にSoftware-Defined Storageについて説明を行った。

「われわれは、Software-Defined Storageにおいて、ストレージをハードウェアに依存しない形で管理すること、専用のストレージ装置ではなく汎用的なハードウェアを使うことを目指している。Software-Defined Storageによって、仮想環境において必要なストレージサービスが自動的かつ瞬時に提供されるようになる」

「VMware Virtual」はサーバ仮想化ソフト「VMware vSphere」による仮想 環境上のサーバに内蔵されているハードディスクとSDDをプール化し、プロビジョニングや管理を簡素化する。管理機能も「VMware vSphere」に統合されており、「vSphere Web Client」から操作が行える。

「vSphere Web Client」における「Virtual SAN 6」の管理画面

同氏は、「Virtual SAN 6」の主な新機能として、「オールフラッシュ対応」「2倍のスケーラビリティの実現」「4倍以上のパフォーマンスを実現」「信頼性および耐障害性を支える機能の追加」を挙げた。

最近、オールフラッシュのストレージ製品が増えているが、同製品は2階層のオールフラッシュ アーキテクチャに対応している点で、競合に対してアドバンテージがあるという。SSDを使い分けることで、費用対効果にすぐれたオールフラッシュのアーキテクチャを構築することが可能になる。

また、最大32ノードまで対応していたクラスタは最大64ノードまで拡張可能になり、ホスト当たりのIOPSはオールフラッシュは4倍以上になっている。

そのほか、高性能かつ効率的なスナップショット機能、ラックを認識する機能が追加されている。

同氏はこうした機能により、同製品の使い方が変わってくると述べた。具体的には、これまで利用が推奨されてこなかったミッションクリティカルなアプリケーションやVDIなどのプラットフォームとして利用されることが見込まれるという。

一方、「VMware vSphere Virtual Volumes」は、仮想マシンレベルでストレージ機器とvSphereをきめ細やかに統合できるストレージAPI群で構成される。これまで、ボリュームなどストレージの単位ごとにストレージサービスが提供されてきたが、同製品により、仮想マシン単位でストレージのデータサービスを利用することが可能になる。

VMware vSphere Virtual Volumesに対応したストレージは、Atlantis Computing、Dell、富士通、ヒューレット・パッカード、日立製作所、IBM、NEC、NetApp、NextGen Storage、Pure Storage、Symantec、Tintriから、2015年上半期に提供される予定。

「VMware Virtual SAN 6」の1プロセッサ当たりの市場想定価格は31万2000円から、「VMware Virtual SAN 6 for Desktop」の1ユーザー当たりの市場想定価格は6000円からとなっている。

オールフラッシュ・アーキテクチャはVMware Virtual SAN 6 のアドオン機能として提供される予定で、1プロセッサ当たりの市場想定価格は18万7000円から、デスクトップ当たりの市場想定価格は6000円からとなっている。