サイオステクノロジーは、機械学習技術(米国特許申請中)を搭載したITオペレーション分析ツール「SIOS iQ」を発表した。「SIOS iQ」は、仮想およびクラウド環境での重要なアプリケーションの稼働状況を包括的に監視、分析、最適化するソリューション。
アプリケーション、コンピュート、ストレージ、ネットワーク間の稼働パターンをトラッキングし、正常稼働時のパラメーターを学習。その上で、稼働状況の問題を検出し、仮想およびクラウド環境でのアプリケーションのパフォーマンス、効率性、信頼性を改善するための提案を行う。
サイオステクノロジー BC事業企画部 部長 御舩洋氏は、「SIOS iQ」をリリースした背景を、「現在のIT環境は、ソリューション、仮想デスクトップ、アプリケーション、ハイパーバイザー、物理サーバ、ネットワークなどが混在する複雑な環境になっており、人間の管理を越えた環境になっている。そのため、これまで提供してきたLifeKeeperやDataKeeperだけでは、問題の関連性や事象の把握がむずかしくなっている」と説明した。
また、米サイオステクノロジー COO ジェリー・メルニック氏は、「SIOS iQでは、機会学習、シンプルUIによって、管理者の直面している課題を解決していこうというアプローチをとった。SIOS iQは新たなITオペレーション分野において、リーダーを確保できるポテンシャルも持った製品だ。この分野は大きく成長しており、チャンスがある市場だ。SIOS iQはITオペレーション分析プラットフォームで、リソース・時間の軸でデータを収集・分析する。そして、データを学習し、事象との因果関係を考察、予測シミュレートする。特徴がはシンプルさとインテリジェンスだ」と述べた。
同社ではSIOS iQの第一弾として、2月24日より、無償の「SIOS iQ Freeview Edition」を提供開始する。そして2015年のQ3には、パフォーマンスの問題の発見機能を提供する「SIOS iQ Standard Edition」、2015年のQ4には、リソースの最適化を行う「SIOS iQ Enterprise Edition」を提供する予定。
「SIOS iQ Freeview Edition」のダッシュボードでは、PERC、Waste、Host Based Cachingの3つの機能を提供する。
PERCでは、タッチとモバイルに対応したUIで、コンピュート(CPU、メモリ)、ストレージ、ネットワークそれぞれのパフォーマンス(P)、効率性(E)、信頼性(R)、キャパシティ情報(C)を表示する。
Wasteでは、利用頻度の低いアイドルVMと削除可能なスナップショットの消費情報を表示し、コスト軽減を提案する。
Host Based Caching(HBC)とは、ストレージとネットワークのトラフィック負荷を軽減するためにホストマシンのSSDを適用する技術で、ストレージのパフォーマンスとアプリケーションのレスポンスを改善する。具体的には、キャッシュ化することによりパフォーマンスの向上が見込める仮想マシンの候補を示し、キャッシュ化後の予想IOPS値とレイテンシー値、およびキャッシュサイズとキャッシュブロックサイズの推奨値を提示する。
サイオステクノロジー 代表取締役社長 喜多伸夫氏は、「サイオステクノロジーは、1997年の設立以来、これまで、ほぼ2桁成長を続けており、好調な業績をあげている。世の中はオートメーションからインテリジェンスの時代になっているが、ITオペレーションン部門においてはインテリジェンスが進んでいない。そこで世界に先がげてSIOS iQを発売する。これにより、ITオペレーションの分野でもマシンラーニングやインテリジェンスを広げていきたい」と述べた。