JR北海道はこのほど、北海道新幹線新青森~新函館北斗間(2016年3月開業予定)におけるおもな冬季対策設備について公表した。開業区間の半分以上が在来線との共用走行区間となることに加え、厳冬期には厳しい環境となることから、設備も特徴的なものとなる。

ピット式ポイントイメージ

ポイント付近を覆うスノーシェルター

中でも、雪や氷の付着によるポイント不転換を防ぐための除雪装置には、一般的な電気融雪器に加えて全国の新幹線で初めて採用する設備を導入。ポイント下部に箱型の空間(ピット)を設けて雪などを落とし込む「ピット式ポイント」と、空気圧で雪などを吹き飛ばす「エアジェット式ポイント除雪装置」の2種類で、JR北海道在来線で実績のある装置を新幹線にも設置する。

共用走行区間の3線式ポイント箇所ではこれらの除雪装置に加え、軌道を覆うスノーシェルターを設置して降雪の影響を抑える。スノーシェルターも、新幹線本線での採用は北海道新幹線が初めてだという。

軌道上の降雪・積雪対策としては、高架橋内の線路脇に雪を貯めることができる「貯雪式高架橋」や、雪を高架下に落とすことができる「開床式高架橋」を採用。スプリンクラーで融雪する「散水消雪方式」は、散水した水が凍るおそれがあるため、新青森駅付近の一部(約200m)に限り使用する。その他、除雪用機械9台を導入し、冬季の安全確保に努める。