IDC Japanは12月24日、国内主要EAソフトウェアベンダーの競争力分析結果を発表した。同市場は、ERM(Enterprise Resource Management)/製造管理アプリケーション、CRM(Customer RelationshipManagement9、SCM(Supply Chain Management)の中分類市場を含んでいる。
2013年の国内EAソフトウェア市場規模は、前年比5.8%増の3057億400万円だった。ベンダーシェアは、首位のSAP(17.5%)、2位の富士通(11.2%)、3位のオービック(6.4%)、4位のワークスアプリケーションズ(6.0%)、5位のオラクル(5.0%)となった。
上位5社による国内EA市場の占有率は約46.0%で、2012年より0.5ポイント下降したが、同社は市場の寡占化率に大きな変化はないとしている。
国内EAソフトウェアの中分類別市場規模では、ERM/製造管理アプリケーションが69.4%を占めており、CRMが20.5%、SCMが10.1%となっている。このため、ERM/製造管理アプリケーション市場の売上額が同市場の全体シェアに影響することになる。
上位3社は、ERM/製造管理アプリケーションでの売上額が大きいため、同市場でのシェアが高くなったという。産業別規模では、製造業が最も大きく1426億3100万円となり、全体の46.7%を占めている。2013年はその製造業のIT投資が好調で、国内EAソフトウェア市場全体の成長要因となったという。
ERM/製造管理アプリケーション市場では、SAPが15.4%、富士通が13.6%のシェアを獲得、SCM市場ではSAPが30.5%のシェアを確保している。CRM市場ではSAPが18.2%、セールスフォース・ドットコムが11.0%のシェアを獲得した。
前年比成長率ではCRM市場が最も高い8.3%となり、その影響が5位のオラクル(前年比12.3%増)と、9位のセールスフォース・ドットコム(前年比16.1%増)の2桁成長に表れているとしている。
ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの もたい洋子氏は「ベンダーシェアが膠着しているEAソフトウェア市場で市場の拡大を図るためには、外資系ベンダーにはグローバル展開する顧客を対象に、グループ全体で導入できる柔軟なライセンス提供を図ることを提案する。また日系ベンダーには、各種データの部門利用が進む背景を踏まえ、組込みBIツールの機能強化を図ることが、顧客満足度の向上につながる」と分析している。