Mozillaは12月2日(米国時間)、iOSプラットフォーム向けのFirefoxライクなブラウザ開発を進めていると公式に発表した。現在iOS向けのサードパーティブラウザとしてChromeやOperaが提供されているが、基本的な動作エンジンはApple準拠のもので他OS版とUIなどで共通点があるのみだ。そのためFirefox for iOSについてもブックマーク同期など限られた機能での共通化が行われた類似ブラウザとなる可能性が高いとみられている。

同件はTechCrunchが初報を出しており、現在米オレゴン州ポートランドで開催されているMozillaの内部向けイベントにおいてFirefox担当VPのJonathan Nightingale氏が出したコメントがベースになっている。後にMozillaが出した公式声明によれば、Firefox for iOSの開発はまだ初期段階にあり、他のプラットフォームでのFirefoxと同様な経験をiOS環境においても提供していくのが目的と、プラットフォームの横展開戦略の延長にあることを示唆している。今後アップデートは順次報告していく予定だとプロジェクト側では説明している。

ただTechCrunchが指摘するように、AppleのiOSにおけるサードパーティ製Webブラウザアプリの審査基準は厳しく、ChromeやFirefoxといった競合が独自のレンダリングエンジンやJavaScript実行環境を用意することを固く禁じている。そのため、AppleがiOS向けにデフォルトで提供しているレンダリングエンジンを利用したり、Opera miniのように外部サーバにレンダリングエンジンを積む方式を採用する形で各社はアプリをリリースしている。FirefoxもChromeなどと同じ方式を採用する可能性が高く、むしろFirefoxアカウントによるブックマーク同期など、プラットフォームを移動してもFirefoxの利用環境をそのまま引き継げるようなUI面の機能共通化をセールスポイントにするのではないかと考えられている。