米ルイジアナ州ニューオーリンズにて開催されているスーパーコンピュータ(スパコン)最大の学会「SC14」において、11月17日(米国時間)、スパコン処理能力ランキング「TOP500」の2014年11月版が発表された。

44回目の発表となる今回は、中国National University of Defense Technologyの「Tianhe-2(Milky Way-2/天河2号)」が、4回連続で1位を獲得したが演算性能は、前回、前々回同様33.8627PFlopsで、上位9システムが前回の発表(2014年6月版)から変動がなく、日本の「京」は10.51PFlopsで4位となっている。

10位は、前回は米国政府機関系(機関名の詳細は非公開)のCray製のスパコンが3.143PFlopsであったが、同機関は13位に後退、別の米国政府機関系が、性能が3.577PFlopsと達成しランクインした。また11位は米国NASA/AMES RESEARCH CENTER/NASの「Pleiades」が3.375PFlopsで、12位にはイタリアEniの「HPC2」が3.188PFlops、14位が独Leibniz Rechenzentrumの「SuperMUC」が2.897PFlops、そして15位に日本の東京工業大学(東工大)「TSUBAME2.5」が2.785PFlopsとなっている(東工大は前回13位)。

TOP500に掲載されたシステムの性能を合計すると、前回は274PFlopsであったが、今回は309PFlopsに到達し、1PFlops超えのシステムは50システム(前回は37システム)に到達したという。また、75システム(前回は62システム)が何らかのアクセラレータ/コプロセッサを用いており、その内の47システムがNVIDIA、3システムがATI Radeon、そして25システムがIntel MIC(Xeon Phi)となっている。

システムベンダ別にみると、HP製が179システム、IBM製が153システム、Cray製が62システムで、この3社で8割近いシステムを提供していることとなる。また、国/地域別でみると、米国が前回から2システム減となったものの231システムで依然トップとなっており、次いで欧州が130システム、中国が61システム(前回76システム)、日本が32システム(前回30システム)となっている。なお、日本勢の1PFlops超えシステムは4位の京ならびに15位のTSUBAME2.5のほか、38位に国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)の「Helios」が1.237PFlops(前回30位)で、48位に東京大学情報基盤センターの「Oakleaf-FX」が1.043PFlos(前回36位)で、49位に九州大学の「QUARETTO」が1.018PFlops(前回37位)でそれぞれランクインしている。

中国National University of Defense Technologyの「Tianhe-2(Milky Way-2/天河2号)」の外観

2014年11月に発表された第44回 TOP500の上位10システム