第27回東京国際映画祭で新設された"SAMURAI(サムライ)賞"の第1回受賞者となった北野武監督が25日、東京・六本木ヒルズで行われた受賞記念スペシャルトークイベントで、若手映画監督らと"日本映画の今と未来"について語り合い、その中で、日本の映画業界を批判した。

"SAMURAI(サムライ)賞"受賞記念スペシャルトークショーに登壇した北野武

北野監督ははじめに、「漫才大賞もらって、映画の賞もらって、前科までもらったのは日本で俺しかいない。日本の芸能界の歴史そのもの、歴史の汚点そのもの。光栄に思っています」と北野流に受賞の喜びを表現。

若手監督とのトークの中では、「日本の映画が最低なところは、映画製作会社が劇場と関連していること」と、日本の映画業界を批判。「一番ひどいと思うのはアカデミー賞。アカデミー賞の日本代表は、日本のアカデミー賞で推薦された作品しかノミネートされない。自分の映画がアカデミー賞に推薦されたことは一回もありません」と訴え、「最優秀賞もたいてい松竹、東宝、東映、たまに日活」と、大手ばかりだと指摘した。

「今までとったアカデミー賞の推薦の映画を見てください。大手3社か4社以外の作品がとったことはほとんどないから。全部持ち回りなの」と批判は続き、「だれが選んだかって言ったら、アカデミー賞の会員が選んだって。アカデミー賞の会員なんていないんだから。そういう汚いことばっかやっているから日本の映画がダメになる」と怒りを爆発させた。

さらに、「それを声上げて言わない新聞社。映画のCMをもらっているから悪口を書けない。4人くらい立っただけなのに『スタンディングオーベーション15分』とか平気でメディアも書くからわかんなくなる」とメディアも批判。思いをぶちまけた北野は「愚痴大会みたいになっちゃった」とつぶやいた。