アメリカ航空宇宙局(NASA)は9月24日、ハッブル、スピッツァー、ケプラーという3つの宇宙望遠鏡を用いた観測で、地球から120光年の距離に位置する惑星「HAT-P-11b」の大気中に水蒸気を発見したと発表した。

これまでは木星かそれ以上のサイズの惑星しか大気の組成を観測することができておらず、海王星ほどの大きさの「HAT-P-11b」は大気の組成を調査できた惑星としては最小となる。

従来も同サイズの惑星の大気を調査しようと試みられていたが、雲や塵に覆われていたため観測することが難しかった。「HAT-P-11b」はそれらの惑星とは異なり、澄んだ大気をもっていたことが観測成功につながった。

同局の研究グループは「今回の発見によって『HAT-P-11b』と同じ大きさの他の惑星についても大気を観測できる可能性が大きく広がった」とコメントしており、今後、地球と同じように主に岩石で構成されながら地球の約10倍の質量をもつ「巨大地球型惑星」についても同様の手法で大気を調べることを目指すという。

太陽系には「巨大地球型惑星」は存在しないため、ケプラーでの捜索に加えて、2018年に打ち上げが計画されているジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡も投入する予定だ。

「HAT-P-11b」のイメージ図 (C)NASA/JPL-Caltech

今までの海王星サイズの惑星(左)と異なり、「HAT-P-11b」の大気(右)は澄んでいる(写真はイメージ図) (C)NASA/JPL-Caltech