NECは9月26日、病院内の音声通信システムと看護業務で用いられるナースコールシステムを連携させ、看護師が利用するスマートフォンへ患者の情報や病室の映像をタイムリーに提供できるシステム「Application Platform for Healthcare」の販売を開始した。

同製品は、IAサーバ「Express5800」と、仮想化基盤上で動作するOS、データベース、ソフトウェアを組み合わせたもの。音声通信システム基盤として「UNIVERGE SV9500」、ナースコールシステムを利用しているユーザーに向け、これらを連携させる統合型システム「NEC Solution Platforms」の新たなラインアップとして販売する。

「Application Platform for Healthcare」の構成

同製品の最大の特徴は、従来のPHSによるシステムでは困難だったナースコールを呼んだ病床の映像データを看護師のスマートフォンへ表示できる点。

これにより、ナースコールを受けた時点で映像と患者情報で現場の状況を把握して必要情報の収集や連絡を事前に行ったうえで、病室へ駆けつけることが可能になり、現場の状況を判断する時間の短縮や、医師への連絡や医療機器の準備など迅速かつ適切な初動対応を支援する。

加えて、見守りが必要な患者に対し病室の各種センサーと連携することで、離床などの予期せぬ行動をした時に自動でスマートフォンを呼び出し現場の映像と患者情報を通知することができる。

離床センサーや生体モニターと連動して、スマートフォンから患者の状態の確認を実現

そのほか、夜間や休日の緊急外来において、ドアホンと連携させて、呼び出し時に看護師のスマートフォンへ来訪者の映像を表示する。これにより、従来は来訪者の確認と開錠のためナースステーションに戻り対応していた業務が、その場でスマートフォンから可能となる。

価格は「Application Platform for Healthcare UNIVERGE H20200(基本パック)」(UNIVERGE HC1000ユーザライセンスを1,000IDまで登録可能)が900万円、「Application Platform for Healthcare UNIVERGE H20210(冗長パック)」(UNIVERGE HC1000ユーザライセンスを2,000IDまで登録可能で、FTサーバを採用してハードウェアを冗長化)が1,500万円となっている(いずれも税別)。