10月3日よりテレビ東京系で放送されるTVアニメ『牙狼<GARO>-炎の刻印-』の第1話を先行上映する完成披露試写会が18日、東京・新宿バルト9にて開催された。

左から野村勝人、朴ロ美、堀内賢雄、浪川大輔、林祐一郎監督、小林靖子

どこよりも早く第1話を観賞できるというこの日の試写会には、会場キャパの5倍の応募が殺到。難関を勝ち抜いたファンたちで会場は満席状態となった。第1話の上映が終了すると客席からは割れんばかりの拍手が巻き起こり、そこへレオン・ルイス役の浪川大輔、ヘルマン・ルイス役の堀内賢雄、アルフォンソ・サン・ヴァリアンテ役の野村勝人、エマ・グスマン役の朴ロ美といった主要キャストと、林祐一郎監督、シリーズ構成・脚本の小林靖子氏が登壇し、会場はさらにヒートアップ。舞台あいさつでは、アフレコ収録時の模様を収めた写真が公開され、その中には真面目に画面に向き合う浪川、野村、朴をよそに、堀内一人だけがカメラ目線でポーズを決めているショットもあり、堀内に総ツッコミが入る場面も。

第1話で台詞が4言のみだったという浪川は、現在録り終えているアフレコを述懐し「収録は結構ハードで、時間をかけて丁寧にやっています」と収録の様子を語りながら、一見クールに見える主人公レオンについて「第2話以降、ガラリと変わっていきます。青臭く、感情がむき出しになるようなところもあります」と解説。レオンの父で魔戒騎士ゾロことヘルマンを演じた堀内は、深夜アニメとはいえ際どい描写もある本作に「このまま放送できるのか?」と心配していたが、観客の反応を見て「エロあり、人間ドラマあり、かっこいいところもありで、つかみはOKですね」と手応えを感じた模様。ヘルマンについては「奔放で無類の女好き」という紹介文に触れつつ、「やる時はやる! 決める時は決める! いまの時代のかっこいいパパかもしれないです」と力説していた。

ヴァリアンテ王国の王子アルフォンソを演じる野村は「さわやかで非の打ちどころのない男!」と紹介。すると、アルフォンソに負けず劣らずさわやかな野村を浪川が「キミは本当にいい顔してるよね、床屋のポスターみたい!」と称賛、すかさず朴が「浪川くんは色が黒いから」と容赦ないツッコミを入れ会場の笑いを誘った。アルフォンソというキャラについて小林氏は「昔のアニメなら主役の"陽"要素を持っており、レオンと対をなす良いキャラです」と説明し、野村も「まだ国を治めるには未熟なところがありますが、これからどう成長していくのか楽しみです」と同意。そして、第1話では登場シーンがなく、最も謎に包まれているキャラクターのエマを演じる朴は、第2話以降の内容について話すのは御法度だという。

そこで林監督から「魔戒法師ですがレオンたちとは目的が違い、独自に行動をとっているんです」という助け舟が。朴は「単なる魔戒法師じゃないんです」と慎重に言葉を選びながら口を切り、「すごい過去を持っていて、毎話見るごとに分かってくると思うのでお楽しみに!」とファンの期待を煽っていた。第1話では登場しなかったエマだが、集まったファンのために朴が舞台上でエマのセリフを実演するサプライズ企画も。「坊や、邪魔よ!!」というセリフがスクリーンに映し出されていたが、朴は「浪川、邪魔よ!!」とアドリブをかませ、会場は大爆笑。「漢字が読めなくて……(笑)」ととぼける朴に、「本番よりも気持ちが入ってた!」と堀内は大絶賛。続く「ホント、魔戒騎士ってサイテー」という台詞では"魔戒騎士"の部分を"浪川大輔と堀内賢雄"に置き換えて読み、堀内は「おれは大先輩なのに!」と苦笑、会場は再び笑いに包まれた。

『牙狼<GARO>-炎の刻印-』キービジュアル

現在も先のエピソードを制作中という林監督は、「ストーリーが濃すぎて、打ち合わせでもアイデアがたくさん出すぎて、どうしても盛り込めないところもある」と質が高いがゆえの悩みと苦労を明かし「最終話までスタッフ一同、テンションを落とさずに作っていきます」と意気込みを語る。原作者の雨宮慶太氏から「アニメは全く別物でいい」と言われたという小林氏も「実写では作れないものを作りたい、根底に流れているものは同じですが、実写とはカラーが違うものになればと思いつつ作っています」とアニメならではのオリジナリティをアピールしている。

最後に朴から「また大きなスクリーンで私も見たいので、みなさんの応援で劇場版まで行けたら!」とアニメ版の映画化を見据えた発言も。会場のファンからは期待の込められた熱い拍手がわき起こり、完成披露試写会は幕を閉じた。

(C)2014「炎の刻印」 雨宮慶太/東北新社