米国時間9月17日に公開された「iOS 8」の新機能である「iCloud Drive」について、Appleがサポートページで自社オフィススイート「iWork」を利用するユーザーに注意点を説明している。同じくiCloud Driveを対応する「Mac OS X Yosemite(10.10)」が登場していないため、両方の端末を利用するiWorkユーザーは、アップグレードのタイミングをニーズに合わせて2つの方法から選択する必要がある。

AppleがiWork利用のサポートページを公開

iCloud DriveはAppleが同日配布開始した最新のモバイルOS「iOS 8」、およびこの秋に公開予定の「Mac OS X Yosemite(10.10)」で提供するクラウドストレージサービス。ドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーション、PDF形式のドキュメント、画像などiCloudにあるさまざまなファイルを保存し、iPhone、iPad、iPod touch、Mac PC、それにブラウザ(iCloud.com)からアクセスできる。iCloud.comの「Pages」「Numbers」「Keynote」の各アプリケーションからも起動できる。

Appleのサポートページによると、現行のMac OS X Marvericks(10.9)搭載MacでiWorkを利用するユーザーへの影響として、iOS 8またはiCloud.com経由でiCloud Driveにアップグレードした場合はドキュメントに問題が生じる可能性があると警告している。

iWorkユーザーへの選択肢としてAppleが挙げているのは、以下の2つとなる。

1、Mac OS X Yosemite公開を待ってiCloud Driveにアップグレード

この場合、OS X Marvericks以前のOS上でのアプリでドキュメントを最新の状態にできる。だが、iCloudアカウントをiCloud Driveにアップグレードするまで、iCloud.com上でWebアプリ形式で提供されるiWorkは利用できない。また、iCloud経由での共有機能も利用できないという。

メリットとしては、iOS 8を搭載したiPhoneなどのデバイス、iOS 7搭載デバイス、それにOS X Marvericks以前のMacで最新のドキュメントを共有できる。デメリットとしては、上記のようにiCloud.comでの制限のほか、以前iCloudで共有したドキュメントについて、あなたがiCloud Driveにアップグレードするまで共有相手はアクセスできないという。

2、いまiCloud Driveにアップグレードする

いますぐアップグレードをすることを選択した場合、iCloud.com上でのiWork Webアプリを利用でき、iCloud上でのファイル共有も可能になる。OS X Marvericks以前で利用していたドキュメントにアクセスするためには、iCloud.comに行ってPages、Numbers、Keynoteからアクセスすることになる。

Windows PCの場合、無償公開されている「iCloud for Windows 4.0」をインストールし、iCloud Driveの設定を行う。

いますぐアップグレードするメリットとしては、上記のようにiOS 8、OS X Yosemite搭載Mac、iCloud for WindowsをインストールしたWindows PC、iCloud.comでドキュメントは最新の状態に保たれることが挙げられる。しかし、iOS 7、Marvericks以前のMacでは最新のものにアクセスできない。iCloudで過去に共有したドキュメントについても、共有相手は問題なくアクセスできる。

Appleはまた、iPhone 4ユーザーに対しても留意点を記している。iPhone 4はiOS 8とiCloud Driveのサポート外となり、iCloudアカウントをiCloud DriveにアップグレードしてもiPhone 4でPagesなどのアプリでiCloudを利用できない。ただしiCloudなしでのiWorkアプリは利用可能という。