キーサイト・テクノロジーは9月9日、最大4chに対応しつつ65GSps/20GHz帯域幅を実現した任意波形発生器「M8195A 任意波形発生器」を発表した。

同製品はDCから20GHzまでの帯域に対応しているほか、周波数・位相応答校正機能を内蔵しているため、さまざまな信号補正(シグナル・プリディストーション)に対応しており、これにより高速データレートにおいても、純度の高い信号を発生することができるため、任意波形発生器-測定対象物間の接続ケーブルや治具の影響を補正したり、意図的に任意の伝送路に負荷を加えたりすることが可能だという。ちなみに同機能はハードウェアで実現されているため、波形出力時であってもパラメータの変更が可能だという。

最大4chに対応しつつ65GSps/20GHz帯域幅を実現した任意波形発生器「M8195A 任意波形発生器」の概要

また、最大で16Gサンプルの波形メモリを搭載可能なため、長時間にわたるより現実的な信号シナリオを作成することが可能。さらに、高性能機器向けのモジュール規格であるAXIeに準拠した2スロット品および5スロット品を用意。5スロットのAXIeシャーシを利用した場合、最大で16chの同期のとれた信号を発生することができるようになるという。

2スロット品と5スロット品が用意されており、5スロットシャーシを用いると4台×4chで最大16chの同期をとり、信号を発生することが可能となる

加えて、多値信号(PAM4など)を4チャネルで発生し、最大32Gbaudで歪みやジッタなどを付加することが可能であったり、複雑な変調ベースバンド信号を2組(4チャネル)発生可能なため、32Gbaudもしくはそれ以上の高速レートの光通信でのデジタルコヒーレント信号の試験に最適だと同社では説明している。

主なターゲットは高速化が進む光通信や無線機器、高速デジタルインタフェース、レーダー/防衛関連、衛星通信などとしており、そうした分野で用いられる独自波形についても、MATLABやLabVIEW、C++を活用して生成することが可能だとしている。また、各種通信規格の試験だけでなく、MIPIなどの多値信号アプリケーションでの試験などにも対応することが可能であり、次世代通信技術などに対応したアプリケーション開発で活用されることが期待されると同社ではコメントしているほか、従来の任意波形発生器に比べ、独自開発のInP化合物半導体を用いたアンプを活用することで、高い変調精度や簡単なナイキストフィルタの設定などが実現されており、「これまで測定が困難、もしくは不可能であった領域に向けた測定などが可能になることから、400Gbps/1Tbpsの光通信や次世代無線通信などの開発を加速させることができるようになる」と説明している。

なお、同製品は即日販売を開始しており、参考価格は1ch品で950万円(税別)から、2ch品で1050万円(同)、4ch品で1600万円(同)からとなっているほか、将来的にはDSPを搭載し、高機能化したモデルなども提供していく予定としている。

「M8195A 任意波形発生器」の価格とブロック図。将来的にはDSPを搭載したモデルの提供も計画しているという