日本オラクル 代表執行役社長兼CEO 杉原博茂氏

日本オラクルは8月25日、同社の経営管理ソリューション「Oracle Hyperion」の初のクラウド型サービスとなる「Oracle Planning and Budgeting Cloud Service」を国内で提供開始すると発表した。

同サービスは、同社が提供する企業向けクラウドの1つで、これまで自社運用(オンプレミス)形式で提供されてきた「Oracle Hyperion Planning」の予算管理、管理会計などの機能を月額課金制のSaaS (Software as a Service)形式で提供するもの。

代表執行役社長兼CEOの杉原博茂氏は、「調査結果により、日本の企業では、経営管理業務において自動化が進んでおらず、生産性が低いという現状が明らかになっている。当社はグローバルで経営管理製品のトップシェアを獲得しており、日本市場でもリードしていきたい」と、同製品に賭ける意気込みを語った。

日本オラクル 執行役員 BI/EPM事業統括 伊藤健治氏

執行役員 BI/EPM事業統括 伊藤健治氏は、同サービスの位置付けについて、「経営管理業務のうち、制度連結といった過去を数値としてとらえるエリアではなく、中長期戦略事業ポートフォリオの策定といった未来を予測するエリアをカバーする。現在、日本の企業では、未来を予測する業務は複数のスプレッドシートを積み上げて行っているが、これではスピードが足りない。われわれの経営管理製品は瞬時に分析・予測することを可能にする」と説明した。

同サービスは、Oracle Hyperionに蓄積されてきたノウハウ、国内20社以上のパートナーが提供する業種別・業務別テンプレートをそのまま活用することができる。

その一方、業務ユーザーが利用できるよう、「事前構築済みのスターター・キットと直感的なウィザード機能」「対話的なオンライン・ヘルプおよびチュートリアル、データ連携ツール」「パフォーマンスなどの管理支援のための診断機能」が強化されている。

操作性として、業務ユーザーが使い慣れているWebやExcelといったインタフェースで入力・分析できるのも同サービスの特徴だ。セルには、コメントを記載したり、ファイルを添付したりすることも可能。加えて、Microsoft Office(Excel、Word、PowerPoint)と連携して、定型レポートやダッシュボードの出力が行える。

「Oracle Planning and Budgeting Cloud Service」の特徴

Web/Excelを通した直感的操作が行える画面

Microsoft Officeと連携して定型レポートやダッシュボードの出力が可能

クラウドサービスとして提供されるため、環境構築の作業が一切不要で、最短で1ヵ月程度での短期導入が可能。また、月額料金制で10ユーザーから利用できるため、コストを抑えた形でスタートできる。1ユーザー当たりの月額料金は1万3,000円だ。

同社は、同サービスを導入することで、スプレッドシートによって経営管理業務を行うよりもスピードがアップするので、そこで短縮された時間を分析に割いて、分析情報の精度を向上して分析の高度化を図ってほしいとしている。