8月10日からHot Chips 26が開幕した。会場は、Cupertino市にあるDe Anza CollageのFlint Centerという劇場である。一昨年はStanford大学のMemorial Auditoriumが改装中でFlint Centerが使われたが、昨年はMemorial Auditoriumに戻っており、今年もStanfordかと思ったら、また、Flint Centerということで、交互に会場が変わっている。

今年の参加者は事前登録ベースで561人とのことである。

Hot Chips 26の会場のFlint Center。FLINTの字の上に、Hot Chipsの幕が掲げられている

初日の8月10日はチュートリアルで、午前はセキュリティ関係、午後はIoT関係のチュートリアルが行われる。8月11日と12日が本会議で、初日の基調講演は、ARMのMike Muller氏の「Power Constraints : From Sensors to Server」と題する講演、2日目の基調講演はQualcommのRob Chandhok氏の「The Internet of Everything : What is it? What's driving it? What comes next?」と題する講演が行われる。

8月11日の最初のセッションはHigh Performance Computingで、NECのSX-ACEの発表と、富士通のSPARC64 XIfxの発表が行われる。また、分子動力学計算専用マシンを開発しているD.E.Shaw Researchが第二世代のAnton 2を発表する。

そして、午後のMobile Processorのセッションでは、NVIDIAのTegra K1、AMDのKaveriと、それに加えて、NVIDIAのDenver Processorの発表が行われる。Denverは学会初登場であり、どのようなプロセサであるのか興味が持たれる。

午後の2番目はテクノロジのセッションで、SK HynixのHBMの発表と並んで、Thruchipの3Dワイヤレススタックの発表が行われる。これは慶応義塾大学の黒田先生の磁界結合によるデータ伝送技術を使うもので、黒田先生の名前も発表者に入っている。

初日の最後はARMサーバのセッションで、AMDのSeattleサーバプロセサとLSI Logicのネットワーク向けのARM IP、そして、Applied MicroのX-Gene2プロセサの発表が行われる。

8月12日の最初はFPGAのセッションで、AlteraやXilinxといったFPGAメーカーの発表と並んで、MicrosoftのデータセンタのサーバにFPGAを付けて処理性能を改善したという発表が行われる。今後のデータセンタサーバの方向性を考えるうえで興味深い発表である。

その次のHigh Performance ASICのセッションは、MovidiusのMyriad2、CointerraのBitcoinのマイニング用プロセサGoldstrike 1など面白そうな発表が並んでいる。

午後はDense Serverのセッションがあり、MITの36コアチップ、IntelのC2000 Atomなどが発表される。そして、最後を飾るのは、毎回、Big Iron Serverのセッションである。今年は、IBMのPOWER8プロセサの性能特性という発表、Oracleの次世代SPARCプロセサ、そして、IntelのIvyBridgeサーバの発表が行われる。