NTTは8月4日、次世代の給電システムである「高電圧直流給電システム」をNTTグループの通信ビルおよびデータセンターに導入するための技術仕様として、「高電圧直流給電インタフェースに関するテクニカルリクワイヤメント(技術要件書)」を公開した。

高電圧直流給電システムは、交流と比べて電圧変換段数が少なくなることにより信頼性が向上し、電力損失の低減が期待できるほか、電圧が高くなることにより給電ケーブルが細径化されて、マシンルームの二重床下気流スペースの環境改善などによる空調関連の省エネ効果も見込めることから、次世代給電システムとして注目されている。

NTTグループでも高電圧直流給電システムを先行導入してきたが、次世代給電システムとして本格的にNTTグループ通信ビルやデータセンターへ導入を拡大していくにあたり、高電圧直流給電システムとICT装置などの接続点における技術要件をまとめ、公開した。

主な公開項目は「インタフェース」「ICT装置の動作電圧範囲と定格電圧」「その他」の3つ。

インタフェースは、ICT装置の入力端で規定した(電圧変換装置の入力端など、高電圧直流で給電を受ける点についても適用可能)。

TRのインタフェース

ICT装置の動作電圧範囲と定格電圧は、動作電圧範囲と定格電圧は蓄電池からのエネルギーを有効活用する観点からそれぞれ260Vから400Vと380Vとした。この値は国際標準L.1200の規定および各種動作試験の基準電圧とも一致しており、定格電圧380Vは世界で広く利用されている。

その他の項目では、ICT装置の搭載電源の定格容量や動作電圧範囲を逸脱した場合における動作条件、突入電流および各種安全に配慮した規定「ICT装置等の高電圧直流給電インタフェースに関するテクニカルリクワイヤメント」を設けた。

「ICT装置等の高電圧直流給電インタフェースに関するテクニカルリクワイヤメント」