東京都で多い名字のランキングでは、全国データと東京都データが似ていることが判明したが、 "東の東京都"と肩を並べる存在として、"西の大阪府"ではどうなのだろうか。そこで今回は、大阪府に多い名字を調べてみた。
大阪府の1位は「田中」さん
東京都での1位は「鈴木」さん(全国2位)だったが、対する大阪府の第1位は「田中」さんである。全国順位では「田中」さんは4位だが、大阪府には「田中」さんがおよそ12万4,000人いるようだ。「田中」さんは全国におよそ137万7,000人なので、およそ9%が大阪府民という計算になる。
「田中」さんの語源は田の中、耕作のための田居の語から発生したとされており、大和国高市郡、近江国高島郡、甲斐国山梨郡、伊豆国多方郡など発祥は様々な地域にみられる。田中の多い理由として「田の中」に居住し、四方の田を管理占有していたものが、便宜上この名を用いたからとも言われていている。水田の開発は文化の発展した地域から広まったと言われており、朝廷が置かれた関西地方に「田中」さんが多くいることもなにか関係があるかもしれない。
ちなみに、「鈴木」姓は熊野三所権現の神官を務めていた穂積氏が豊作を願ったことと関係があるといわれている。東京都で1位の「鈴木」さん、大阪府で1位の「田中」さんがどちらも水田や稲作にルーツがあるのは、稲作文化の日本らしい傾向とも言えそうだ。
東京都でベスト3に入った「鈴木」さん、「佐藤」さん、「高橋」さんは、大阪府のランキングだと、それぞれ30位、12位、9位にランクイン。反対に大阪府でベスト3となった「田中」さん、「山本」さん、「中村」さんは、東京都のランキングではそれぞれ4位、10位、7位という結果だった。
大阪府と東京都、双方のベスト3は全て違う名字だったが、ベスト30圏内の名字になると約63%(19種)がそれぞれの都府にランクインすることになった。人口の多い都府に多い名字が、全国の名字ランキングに多分に影響することが分かる。
※ランキングは、月間400万アクセスの「名字由来 net」アプリと「名字由来 net(Web)」の名字データベースから、電話帳データをもとに大阪府・東京都・全国で実世帯が確認できるもののみを集計し、人数の多い順に抽出。100人未満四捨五入により算出している。本文と写真は関係ありません
筆者プロフィール : 名字由来 net(リクルーティング スタジオ)
月間400万アクセスの「名字由来 net(アプリ・Web)」や月間200万アクセスの「無料 赤ちゃん名づけ」アプリなど、名字・名前・家系図に特化したサービスをアプリとWebで提供している。「名字由来 net」はApp Store 総合第1位200万ダウンロード、「無料 赤ちゃん名づけ」は App Store ジャンル第1位の実績。2014年5月には、名字情報を生かしたシミュレーションゲームアプリ「戦国村を作ろう」をリリースした。