ライオンはこのほど、「子育てと家庭でのお手伝いに関する意識・実態調査」の結果を発表した。同調査は6月、小学生の子どもを持つ母親とその子どもを対象として実施。母親669名、その子ども448名から回答を得た。

よく褒められている子どもほど積極性や自主性が高い

褒められる子どもは「友だちの人数」が多い

近年「褒める子育て」という言葉がよく聞かれることから、まず「褒められる子ども」と「褒められない子ども」に、「それぞれの自己評価」を聞いた。

すると、子どもが褒められている頻度と「友達が多い」「授業でよく手をあげる」などポジティブな自己評価には高い相関が見られた。「学校が楽しい」「学級委員をしたことがある」の割合も高いことから、子どもは褒められるほど積極性や自主性が高くなり、自信につながっていることがうかがえたという。

「褒める子育て」が現代ママの理想だが、実際は…

褒める子育てを理想とする母親が過半数

母親に「理想の子育て」について尋ねたところ、「厳しくしつけたい」と答えたのはわずか16.4%となり、過半数が「褒める子育て」を理想としていることがわかった。

子どもをよく褒めている母親は4割強

しかし、実際に「普段から子どもを褒めているか」という質問に対しては、「毎日褒めている」(11.8%)、「よく褒めている」(32.3%)と、褒める子育てを実践できている母親は4割にとどまった。

子どもをよく叱っている母親が多い

一方、「叱る頻度」を尋ねると、「ほぼ毎日叱っている」(33.6%)、「よく叱っている」(31.8%)となり、6割以上の母親がこどもをよく叱っていることがわかった。また、「子どもをもっと褒めてあげたいと思うか」を尋ねたところ、約9割が「思う」と回答した。このことから、子どもを褒めたくても実際には叱ってしまうという、母親のジレンマがうかがえた。

夏休み中などは、子どもをよく叱ってしまう母親が増える

夏休みなどには子どもを叱る機会が増える

「夏休みなどの長期休暇中に、子どもを叱る頻度が変わるか」を母親に尋ねたところ、34.2%が「増える」と回答した。「叱ることが増える理由」については、「一緒にいる時間が長いから」が最も多く、次いで「子どもがダラダラしているから」「兄弟げんかが増えるから」が挙げられた。

「褒める子育て」に欠かせないのは、毎日の「お手伝い」

「お手伝いをしたとき」に褒める母親が多い

「母親が子どもを褒めるタイミング」については、「お手伝いをした時」が7割以上でもっとも多かった。以下「テストでいい点をとった時」が続いた。学年別に見ると、高学年になると勉学面を評価する母親が増える傾向があったが、日常的に子どもを褒めるには「お手伝い」がよい機会になっていた。

子どもは、お小遣いをもらうよりも「褒められる」ほうがうれしい

一方、子どもに「お手伝いをして良かったと思う事」を尋ねたところ、「褒めてもらえる」(54.5%)が最も多く、お小遣いやごほうびよりも、「褒めてもらえる事」が子どものお手伝いのモチベーションになっていることがわかった。

お手伝いの習慣化は、「簡単なこと」から始めて「しっかり褒める」

お手伝いは簡単なことから始め、感謝の気持ちを伝えることが大切

母親に「子どものお手伝いを習慣化させるためには何が必要か」を聞いたところ、「簡単なことに取り組ませる」(71.4%)、「感謝の気持ちを伝える」(68.4%)、「自分の役目として割り当てる」(52.4%)が上位となった。簡単なことでも、やったらしっかり褒めて感謝の気持ちを伝え子どもの気持ちを満たすことが、長続きさせるこつということがうかがえた。

「自分からお手伝いをした」という子どもが約6割

一方、子どもに「お手伝いを毎日するようになった理由」について尋ねたところ、「自分からお手伝いをした」(59.2%)が最も多く、次が「親にやるように言われた」(51.1%)だった。

また4人に1人は「学校の宿題」(26.5%)がきっかけと答えた。6割以上の子どもが夏休みの宿題に「お手伝い」があったと答えており、夏休みは子どもを叱ってしまいがちであることからも、「お手伝い」を本格的にスタートするよい時期だということがうかがえたという。