ヴイエムウェアは7月15日、ソフトバンクテレコム、ソフトバンク コマース&サービスと共同で、ハイブリッドクラウド環境向けのパブリッククラウドサービス「VMware vCloud Hybrid Service」の提供を開始すると発表した。ベータプログラムの提供を同日より開始し、2014年10月~12月に一般提供する予定。3社で合弁会社を設立して運用およびサポートにあたる。

米VMware CEOのパット・ゲルシンガー氏

VMware vCloud Hybrid Serviceは、昨年9月にVMwareが米国で開始したサービス。ワールドワイドで拡張しており、すでに米国に5つ、英国に2つのデータセンターを構えている。日本での提供は両国に次いで3カ国目。アジアで初めての展開となる。

VMware製品を活用したパブリッククラウドサービスは世界で多数提供されており、国内でも「vCloud Service Provider」パートナーを約200社抱えているが、今回発表されたvCloud Hybrid ServiceはVMware自身が運営/サポートを担うという点が大きく異なる。

オンプレミスの仮想化環境で広く利用されているvSphere製品のベンダーとしての利点を生かし、オンプレミス環境とVMware vCloud Hybrid Serviceの双方を同一の画面で操作できる管理ツールを用意するほか、ハイブリッド環境をワンストップでサポートするサービス窓口も開設。ハイブリッド環境における運用をスムーズに進められるようバックアップしていく。

vCloud Service Providerの特徴

発表会に登壇した米VMware CEOのパット・ゲルシンガー氏は、vCloud Service Providerについて「世界で唯一となる"真のハイブリッドクラウドサービス"」と説明。オンプレミスとオフプレミスをシームレスにつなげる点を強調した。

また、ゲルシンガー氏は、vCloud Service Providerの利用シナリオとして、オンプレミスvSphere環境向けアプリケーションの開発/テスト環境や、ディザスタリカバリサイト、性能や信頼性を補うための環境といった点を挙げた。

国内で展開するvCloud Service Providerの特徴

当初は、米国で展開しているDisaster Recovery as a Serviceを中心に、コンピューティング、ストレージ、ネットワーキング、データ保護などの機能を提供するIaaSとして運営。子会社のPivotalの資産を活用したPlatform as a Serviceや、VMware Horizonを活用したDesktop as a Serviceなどの提供も計画されている。

左から2人目がゲルシンガー氏、3人目がソフトバンクテレコム 代表取締役副社長 兼 COOの宮内兼氏、4人目がヴイエムウェア 代表取締役社長の三木泰雄氏