デル・ソフトウェアは7月9日、統合管理バックアップソフトの最新版「NetVault Backup 10」と、重複除外バックアップアプライアンス「DR6000」の2製品の販売を開始すると発表した。

「DR6000」

デル・ソフトウェア テニカルサービスマネージャー下館英之氏

デル・ソフトウェア テニカルサービスマネージャー下館英之氏によれば、「NetVault Backup 10」の主要改善ポイントは、簡単さ、拡張性、スピードの3つだという。

簡単さでは、Webベースのインタフェースを新たに採用。これにより、運用の自動化部分で管理者の負荷を軽減でき、効率性をあげることができるという。

「NetVault Backup 10」の画面

拡張性では、1台のサーバで管理できるクライアント数が、前バージョンの300から、今回1000台まで拡大。そのため、500台あればこれまで2台のサーバが必要であったが、最新版では1台のサーバで管理できる。また、パラレルデータコピーの採用で、一度に2つのバックアップデータを作成できるようになっている。

前バージョンとの機能比較

スピードでは、新しいPostgreSQLによるバックエンドデータベースと、最適化されたスケジューラおよびメディア管理アルゴリズムが搭載されているため、応答速度向上。さらに、「NetVault Backup 10」と「DR6000」を組み合わせて使用することで、「Rapid Data Access(RDA)」テクノロジー使用時のスループットは、従来の7.5TB/hから22TB/hに高速化された。

RDAはDRシリーズ向けのプラフインで、これを利用するとバックアップサーバを介さずに、クライアント側で重複排除(ソースサイド重複除外機能)を行ったのち、DRシリーズに直接バックアップできる。

「Rapid Data Access(RDA)」テクノロジーによるスピードの向上

デル・ソフトウェアは、NFS およびCIFSバックアップ向けとして業界初のソースサイド重複除外機能となる「Rapid NFS/Rapid CIFS テクノロジー」を「DR6000」に採用している。なお、「NetVault Backup 10」の価格は17万8,560円~。

バックアップアプライアンス「DR6000」は、ミッドレンジ製品の「DR4100」の81TBから容量が拡大され、最大180TBまで対応できるようになっている。これは、対応する「MD1200」拡張シェルフの数がDR4100の3台から4台になったほか、対応ディスクがDR4100の3TBのものから4TBに拡大されたことによるもの。

「DR6000」の特徴

「DR6000」価格は、9TBの使用可能容量モデルで534万7,500円~。

「DR6000」の機能概要

デル・ソフトウェアグループ アジア・パシフィック データ保護ソリューション ジェネラルマネジャー クマール・ミトラ氏

デル・ソフトウェアグループ アジア・パシフィック データ保護ソリューション ジェネラルマネジャー クマール・ミトラ氏は、「働き方は変化しており、社員は常にオンの状態にある。そのため企業は、短い時間で大量のデータをバックアップ・リカバリーしなければならない。ただ、データの重要性や重みがそれぞれ違うのに、1つのバックソリューションで対応しているのは間違いだ。企業は、データやアプリを分類し、SLAやデータの重要性に即したデータ保護ソリューションを適用するべきだ。つまり、コストとリスクのバランスをとっていくことが重要だ。デルはそれにあった複数のソリューションを用意している。今回の新製品は、短い時間で大量のデータをバックしたいというミッションクリティカルな大規模導入向けのソリューションだ」と述べた。