発明協会(庄山悦彦会長)はことし、創立110周年を迎えるのを記念して「戦後日本のイノベーション100選」を選定している。その第1回として38項目のイノベーションを6月に発表した。イノベーションを幅広く捉えて、一般や有識者のアンケート結果などを基に、100選の一部をまず決めた。戦後日本の成長に寄与した発明として、カラオケや回転寿司など生活に身近なものが並んだ。
この選定のイノベーションは「経済的な活動であって、その新たな創造によって、歴史的社会的に大きな変革をもたらし、その展開が国際的、あるいはその可能性を有する事業。その対象は発明に限らず、ビジネスモデルやプロジェクトを含み、またその発明が外来のものであっても、日本で大きく発展したものも含む」と定義した。
選定されたイノベーションのうち、アンケート投票の結果は、新幹線、インスタントラーメン、ウォークマンの順だった。トップ10には、内視鏡やマンガ・アニメ、ハイブリッド車も入った。このほか、高度経済成長期までのイノベーションとして、魚群探知機やトランジスタラジオ、コシヒカリ、自動改札システム、コンビニエンスストアなどが挙げられた。これらのイノベーションからは、戦後69年間の生活の変化が重なってくる。
昨年から、一般を対象にしたWEBアンケート(回答数5265)や有識者へのアンケート(回答数148)を実施し、そのあと、有識者や業界団体などを訪問して、意見を聴取した。選考委員会を計9回重ねて、まず第1回として今回の38項目を選んだ。発明協会のホームページで7月8日に、この38のイノベーションについて解説文や関係者へのインタビュー画像を公開。また、引き続き、1975年以降の安定成長期のイノベーションについて選考を続け、100選の残りを順次発表する。