奈良先端科学技術大学院大学は6月25日、平成25年度に情報基盤・計算機環境を強化し、災害時の事業継続も考えたシステム構築のための調達を行い、平成26年度から逐次、新たなシステムの本格運用を始めていると発表した。
今回、新たに導入したシステムは「全学情報環境システム」「高度統合情報基盤ネットワークシステム」「遠隔拠点間データバックアップシステム」「アドホック型衛星インターネット通信システム」の4システムとなる。
全学情報環境システムには、オラクルのビッグデータ専用Hadoop実行基盤システム「Oracle Big Data Appliance」と統合ストレージ「Oracle ZFS Storage ZS3-2」、GlusterFS」による広帯域分散ファイルサーバ、日本ヒューレット・パッカードのサーバ「HP Moonshot System」と超並列演算ノード「HP ProLiant L6500 Scalable System」が導入されている。
衛星インターネット通信システム以外の3つのシステムは、伊藤忠テクノソリューションズが、衛星インターネット通信システムはスカパーJSATが受注した。
システム構築において、「高度統合情報基盤ネットワークシステム」をネットワークの基盤にしたうえで、連携する「全学情報環境システム」により個々の研究者、学生、職員に対して先端的な研究環境と充実した大学院教育環境を提供することで、インテリジェント・キャンパスを実現した。
沖縄科学技術大学院大学と接続した「遠隔拠点間データバックアップシステム」や、被災してもインターネットが使える「アドホック型衛星インターネット通信システム」により、災害時でもネット環境が途絶えることのないように配慮している。
昨今、大学では情報環境システムに学外のクラウドサービスを利用する傾向にあるが、同大は最先端システム構築の知見を蓄積し、そのノウハウを情報発信していくため、オンプレミスでのシステム構築による学内へのクラウドサービス提供を実現した。