米Appleは6月2日(現地時間)に開催されたWWDC 2014の基調講演で開発者向けの支援策として「iPhone 5s」以降に搭載されているTouch ID APIのサードパーティへの開放を発表したが、PayPalがこれへの対応を表明しており、iOS 8リリース以後に同社モバイルペイメントアプリでTouch IDを使ったサービスがすぐにも利用可能になるかもしれない。

同件はBusiness Insiderが報じている。WWDCの個別セッションでの内容そのものは機密保持契約のため情報が出ていないが、PayPal開発チームが同カンファレンスでTouch IDのセッションへと参加していることが伝わっており、同機能の組み込みに向けた取り組みを行っている様子がうかがえる。情報源であるPayPalのある人物によれば、Touch ID APIへの対応自体は簡単だとしているものの、石橋を叩いて渡るように慎重に作業を進めていると説明する。

Touch IDのメリットの1つは、本人の認証にパスワードやPINコード入力を求めず、指紋センサーに指をあてるだけで認証が可能な点だ。よく勘違いされているが、これは「セキュリティ強化」のための機能というよりは「利便性を高める」点でメリットがあり、パスワード入力をバイパスするための手段の1つとして有効となる。特に煩雑な操作が難しいモバイル機器での利用にメリットがあり、アプリとの組み合わせで利便性が大きく向上する。iOS 8の正式リリースならびに、新iPhone発表タイミングでのPayPalのアナウンスに注目したい。