NASAは6月2日(米国時間)、将来の火星探査において、宇宙船や探査機を安全に着陸させるための低密度減速装置「Low-Density Supersonic Decelerator」の初のテスト飛行を6月3日午前に実施すると発表した。

火星着陸の設備を装備している円盤状の低密度減速装置「Low-Density Supersonic Decelerator」 写真:NASA/JPL-Caltech

テスト飛行は、ハワイ・カウアイ島にある米国海軍の太平洋ミサイル発射施設で行われる。テスト装置は、ヘリウム気球によって12万フィート(約36.5km)の高さまで運ばれ、ブースターロケットによって18万フィート(約55km)の高さまで上昇してマッハ4まで加速する。その後、マッハ3.8まで減速する。

カウアイ島にある米国海軍の太平洋ミサイル発射施設で実験の準備が行われる「Low-Density Supersonic Decelerator」 写真:NASA/JPL-Caltech

今回、Supersonic Inflatable Aerodynamic Decelerator(SIAD)と呼ばれるドーナツ状のチューブと超音速のパラシュートの動作をテストする。テスト装置は、周囲のSIADを膨らませた後、巨大なパラシュートを展開してマッハ2.5にまで減速する。45分後に、テスト装置はハワイ沖に着陸する予定だ。

実験の様子はNASAのサイトで配信される動画で閲覧できる。

「Low-Density Supersonic Decelerator」に配備されている超音速パラシュート 写真:NASA/JPL-Caltech