シトリックス・システムズ・ジャパンは5月30日、「Citrix XenMobile」の最新版となる「XenMobile 9」およびクラウドベースの企業向けデータ共有ソリューション「Citrix ShareFile」の追加機能の提供開始を発表した。

「XenMobile 9」では、WorxMailとWorxWebの機能向上、Windows 8.1とWindows Phone 8のサポート、セキュリティ機能強化が行われている。

WorxMailは、エンタープライズモビリティのためのメールアプリで、最新版では、メールの読み込み、削除、および並べ替えが改善されている。例えば、メールをプレビューしながら、対象となるメールを上方向にスワイプすることで状態を既読にする、逆に下方向にスワイプすることで削除することができる。ウェブアクセスを実現するWorxWebでは、UIの操作性を向上させ、オフライン状態でのウェブページ閲覧のサポートなどが追加されている。

セキュリティ機能強化では、iOSやAndroidを含む各種のモバイル端末において、FIPS 140-2に準拠したデータ保護とサードパーティによる侵入テストにより、モバイルデバイス上の「移動中のデータ」と「保存されているデータ」の安全を確保する。

Citrix XenMobile 9は、既存のユーザー向けには2014年6月下旬からダウンロードで提供される。

また同社は、XenMobileの新しいモバイルアプリケーション、WorxNotes、WorxEditおよびWorxDesktopのTech Previewの提供計画も発表した。

モバイルアプリケーションに3アプリを追加

WorxNotesはモバイルデバイスでメモを作成し、それをWorxMail経由で同僚と共有したり、あるいはそのメモをカレンダーの会議招待と関連付け、さらにShareFileに保存できる。メディアファイル、オーディオクリップ、ホワイトボードでの議論、カメラオブジェクトなどを直接WorxNotesに添付することも可能だ。

WorxEditは、ファイルを閲覧、編集できるソフト。WorxMailの添付書類として受信したものを開いたり、デバイス上あるいはShareFileに保存できる。また、Microsoft Office 文書を直接扱うことができ、編集履歴管理機能をサポートすることで同僚と共同作業を行うことができる。

WorxDesktopは、自分のモバイルデバイスから自分のファイル、アプリケーション、あるいはデスクトップアクセスできる。このアプリケーションには、物理的なデスクトップへのリモート接続機能もある。

これらのアプリケーションのTech Preview版の提供開始は、2014年6月中を予定している。

ShareFileでは、これまで企業顧客に提供していたモバイルでの文書作成および編集機能を、すべてのShareFileユーザーが利用できるよう拡張。また、操作性を向上した新しいiPhone用ShareFileの提供を開始した。コンテキストメニューが新しく追加されて、シンプルなインタフェースとなった。

ShareFileの新機能

また、ShareFile StorageZone Connectors SDKをリリース。これは、インターネット側からは容易にアクセスできないイントラネット上に格納されているデータへのモバイルアクセスを可能にするツール。すでに、Microsoft SharePointとWindowsネットワークドライブ向けのコネクタが利用されているが、SDKの提供開始により、エンタープライズコンテンツ管理(ECM)システムへのコネクタを開発することができるようになり、ユーザーは外出先からShareFile経由でこれらのECMに対してアクセス、編集が可能になった。

そのほか、Microsoft Azureで自社のShareFile StorageZonesを管理することができるようになった。

さらに、ShareFile Personal Cloud Connectorsにより、個人で利用しているBox、Dropbox、Google Drive、Microsoft OneDriveのデータにShareFileを通してアクセスできるようになる。

Citrix ShareFileのモバイル編集機能およびiPhone向けアプリケーションは、2014年5月より提供されている。StorageZones for Microsoft Windows AzureおよびShareFile StorageZone Connectors SDK はすでに提供開始されている。ShareFile Personal Cloud Connectorsは、2014年6月中に提供開始予定。