レッドハット 代表取締役社長 廣川裕司氏

レッドハットは5月22日、14社のパートナーと協業して、クラウド基盤構築製品「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」の販売を開始するとともに、協業によりインテグレーションの支援サービスを提供することを発表した。

レッドハット代表取締役社長の廣川裕司氏は、IDC Japanの調査を例にとり、「現在、50億円にも達していないオープンソースのクラウド基盤構築/管理ソフトウェアの市場は2016年までに322億円に拡大すると予測されている。成熟したIT業界において、ここまで成長が見込まれるジャンルはない」と、市場開拓への意欲を見せた。

また、同社は次の10年を見越したテクノロジー・ビジョンを策定しており、同社のテクノロジーによって、日本のクラウドを世界のトップレベルに持っていきたいという。

今後、同社はパートナーと協力して、「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」と OpenStackによるクラウドを構築するための支援サービスをパートナーを通じて提供する。

これに伴い、昨年2月に発表した「Red Hat Partner Developer Program」にOpenStack製品を統合して、パートナーの提案活動や構築サービスを支援する。具体的には、3年でRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platformエンジニアを5,000人育成する。

レッドハットのOpenStackパートナーの支援体制

同社としては、OpenStack関連の事業を3年後にコアビジネスへと成長させていく構えだ。市場シェアについても、調査会社によると、有償Linux市場でRed Hat Enterprise Linuxは85%のシェアを確保していることから、「今回の協業により、OpenStack関連の市場でも85%以上のシェアを獲得していきたい」と、廣川氏はアピールした。

RedHatはグローバルで「Red Hat OpenStack Cloud Infrastructure Partner Network」というOpenStackのパートナープログラムを立ち上げているが、すでに225社を超える企業が参加しており、Red Hat Marketplaceには、Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platformにおける認定ソリューションが900以上公開されている。

今回、販売契約を締結または協業に関する合意が成立したパートナーは、伊藤忠テクノソリューションズ、SCSK、サイオステクノロジー、シスコシステムズ、新日鉄住金ソリューションズ、TIS、デル、日本アイ・ビー・エム、NEC、日本ヒューレット・パッカード、ネットワンシステムズ、日立製作所、富士通、ユニアデックスとなっている。

発表会に参加したレッドハットのパートナー各社