FreeBSD - The Power To Serve

FreeBSDプロジェクトは5月14日から16日(カナダ時間)にかけて開催された「FreeBSD DevSummit 201405」において今後のリリース方針に関する議論を始めた。現在、FreeBSDプロジェクトはリリースで1年間、エクステンデッド対象で2年間のセキュリティサポートや不具合修正、サードパーティ製アプリケーションパッケージカタログの提供などを実施している。今後はブランチベースでのサポートへ切り替えるとともに5年間の長期サポートを実施することを検討している。

FreeBSDのこれまでのリリースを見ると、1ブランチあたり実質的に5年間ほどサポート期間がある。たとえばFreeBSD 5系はFreeBSD 5.0-RELEASEが公開されてから5系最後の5.5-RELEASEのサポートが終了するまで合計5年ほどかかっている。6系や7系も同様で、実質的に5年サポートを継続してきたことになる。現在主要なオペレーティングシステムのサポート期間やサポート形式などを加味すると、次の形式のサポート体勢がよいのではないかという議論がはじまっている。

  • ブランチベースでのサポート
  • 従来のリリースはポイントリリースとし、最新のポイントリリースをサポートする
  • ブランチのサポート期間を5年間と定める

たとえば5系をこのモデルにあてはめた場合、FreeBSD 5.0がリリースされてから5年間はFreeBSD 5系へのセキュリティアドバイザリなどが提供されることになる。5.1、5.2、5.3などはポイントリリースという位置づけになり、常に最新のポイントリリースがサポートの対象となる。たとえばFreeBSD 5.1-RELEASEが登場したあとはFreeBSD 5.0はサポート対象外となる。

新しいパッケージ管理システムが常に最新版へのアップデートを求めていること、企業における長期サポートの要望が高まっていること、プロジェクトのサポート負荷を削減することなどを考えると、このモデルは双方ともに利点を得やすい。freebsd-update(8)とpkg(8)でシステムを更新し続けるだけでよく運用も簡単。5年の長期サポートは企業における採用にも適している。議論や準備が順調に進んだ場合、FreeBSD 11から新しいサポートモデルが実施されるものとみられる。