東芝は5月15日、ほぼ無菌状態を実現する閉鎖型の植物工場において、長期保存できる無農薬の野菜生産を事業化すると発表した。

同日、神奈川県横須賀市の当社所有の遊休施設を活用し、レタス・ベビーリーフ・ホウレンソウ・ミズナなどを栽培する植物工場に転用する工事が開始された。

東芝クリーンファームルーム横須賀のイメージ

工場には、植物育成向けに光の波長を最適化した蛍光灯、均一な温度・湿度の環境を実現する空調機器、栽培状況を把握するための遠隔監視システム、梱包材などを消毒する除菌システム、半導体事業で培った生産管理技術など、同社の技術・ノウハウが採用されている。

高い鮮度が長期的に求められるカット野菜やサラダ用をターゲットとし、スーパー、コンビニエンスストア、飲食業者などを中心に販路を拡大していく。育成環境を制御することで、ポリフェノールやビタミンCを豊富に含んだ機能野菜を市場ニーズに応じて提供する予定。

今年度上期中には出荷を開始し、年間3億円の売上を見込むほか、今年度中に海外に大規模な植物工場を建設し、植物工場向け機器やシステムの販売を開始し、事業拡大を目指す。