東京都と小笠原自然文化研究所は5月12日、小笠原諸島聟島列島の媒島でアホウドリと推定されるヒナを確認したと発表した。

アホウドリのヒナ

小笠原諸島聟島列島の媒島の位置

これまで、国内のアホウドリの繁殖場所は、伊豆諸島の鳥島と尖閣諸島で確認されていたが、小笠原諸島では戦後初めて確認された。

小笠原諸島は戦前まで数万羽のアホウドリが生息する大繁殖地だったが、羽毛採取による乱獲により地域絶滅した。環境省と山階鳥類研究所は、新たな繁殖地を形成するため、2008年から2012年までの5年間、八丈島南方に位置する鳥島から小笠原諸島 聟島へ70羽のヒナを移住させる事業を行った。

今回の繁殖確認の要因としては、東京都が実施したノヤギの排除により、アホウドリ類の繁殖環境が回復したことが考えられるという。媒島では、1997年度から1999年度に実施し、417頭を排除し根絶した。

発見されたヒナの種を同定するため、今後、DNA分析を行う。