米Facebookは4月30日(米国時間)、サードパーティのアプリへの新しいログオン方法として「Anonymous Login」を発表した。匿名でアプリにログオンできる手法で、個人情報の共有を自分で管理したいとするユーザーのニーズに応じるものとなる。あわせて、既存のログイン手法である「Facebook Login」についても個別に情報を設定できる最新版を発表した。

cap=Mark Zuckerberg氏

新方式のログオン機能は、Facebookが同日、米サンフランシスコで開催した開発者向けカンファレンス「f8」にて発表したもの。Facebookの共同開発者兼CEOのMark Zuckerberg氏はここでモバイルを中心に同社の戦略や方針を明らかにしており、Anonymous Loginと最新のFacebook Loginはその一部となる。

これまでユーザーがサードパーティのアプリケーションにFacebookアカウントでログオンする際、Facebook上で保存している個人情報がサードパーティと自動で共有されていた。Anonymous Loginはアプリ側と個人情報を共有せずにログオンできる新しい方法となる。これにより、ユーザー名とパスワードを別途作成したり記憶することなく、アプリを気軽に試すことができる、とメリットを説明している。Anonymous Loginは現在一部のアプリでテスト中で、今後数カ月中でより多くのデベロッパーに提供してく。

「Anonymous Login」の画面

通常のログオンFacebook Loginについては、アプリ単位で共有する個人情報を管理できるように変更した。友人リスト、電子メール、生年月日などの項目別に共有するかどうかを設定でき、アプリに応じて情報の共有範囲の管理が行える。Facebookは新しいFacebook Loginを利用するアプリをレビューし、品質を維持する。これにより、アプリは必要な情報を求めることができるが、ユーザーが明示的に許可することなくFacebookに投稿することを防ぐという。新しいFacebook Loginについては、数カ月をかけてロールアウトする。

「Facebook Login」ではアプリ毎に共有情報を設定できる

ユーザーによる管理としてはこのほか、「App Control Panel」も一新した。Facebookアカウントを使ってログオンするアプリを管理できるパネルで、利用するアプリのリストを表示したり、設定の確認・変更などが行える。

App Control Panel

f8は2011年以来3年ぶりの開催となったが、今回はモバイルにフォーカスしたイベントとなった模様だ。Zuckerberg氏はFacebookの方針として、アプリプラットフォームとしての安定性、ユーザーの最優先、クロスプラットフォームのツール・サービス提供の3つを示したという。

Anonymous Login、Facebook Loginのほか、モバイル広告ネットワークの「Audience Network」、モバイルアプリ開発を促進するプログラム「FbStart」、Facebook Messengerを利用してアプリからコンテンツをシェアできる「Message Dialog」、アプリ間の連携を容易にする「App Links」、モバイルアプリ向けの!"いいね!"ボタン「Mobile Like」などの新サービスも発表されている。

コンテンツをFacebook Messengerでシェアできる「Message Dialog」

アプリやコンテンツに"いいね!"できる「Mobile Like」

Facebookではf8の来場者を約1800人と報告している。