Googleは4月24日、地図サービス「Googleマップ」で提供しているストリートビュー機能について、過去に撮影した画像を閲覧できるタイムマシン機能を公開した。同日よりPC版で利用でき、1日程度をかけて徐々にロールアウトされる。なお、モバイル端末での提供は検討段階。
Googleのストリートビューは道路上から撮影した周囲の画像を、歩くように見られるサービス。2007年に米国でスタートし、その後、道のない海の中や世界遺産にもなった富士山登山道といったストリートビューも提供しつつ、提供地域を拡大してきた。現在ではグローバル50カ国以上で提供しているという。
これまではGoogleの方針として「最新の画像を提供する」という考えから、過去の画像は見られなかった。この方針を変えるきっかけとなったのが2011年の東日本大震災。Googleは、震災で失われた風景などの写真や動画をネット上で共有するプロジェクト「未来へのキオク」を公開し、その中で、震災前のストリートビューと震災後に撮影したストリートビューを見られるようにした。これが、今回のグローバル提供での端緒となった。
今回のサービス提供では、インフラから構築しなおし、約2年ほどの時間をかけたという。世界中の1000万km以上を走行して撮影したデータは、過去分を含めたことで2倍程度まで増加。撮影頻度などもあるが、データ量からみると、ストリートビューが提供されている場所であればおおむね過去の撮影画像が1回分は見られるカタチだ。
過去のストリートビューを見るには、まず、任意の場所でストリートビューの画面を表示する。過去の画像がある場合には、画面左上に時計のアイコンが表示され、そこからスライダーを動かして過去画像に切り替えられる。過去の画像は、米国では最も古いもので2007年のものとなる。日本国内では、2009年にプライバシーへの配慮から撮影車のカメラ搭載位置を変更している。このため、見られるのは基本的にこれ以降の画像になるが、東日本大震災の被災地においては「未来へのキオク」で公開している2008年~2009年の撮影画像も見られるようになっている。
なお、公開記念としてしばらくの間、マップの人形アイコン「ペグマン」が、映画「バック・トゥー・ザ・フューチャー」に登場するドク(デロリアンを改造してタイムマシンを完成したブラウン博士)の姿で登場するという。