女優・宮沢りえが7年ぶりの主演に挑んだ映画『紙の月』が3月30日、タイ・バンコクでクランクアップを迎えた。撮影を終え、制作サイドは手応えを実感。当初は2015年の公開を予定していたが、今年11月公開に前倒しされることが22日、明らかになった。
本作は、直木賞作家・角田光代の同名小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)などで知られる吉田大八監督がメガホンをとった。宮沢は、本作で『オリヲン座からの招待状』以来となる7年ぶりの主演に挑み、不倫関係の中で次第に横領に手を染めていく主婦で銀行契約社員の梅沢梨花を熱演。不倫相手の光太を池松壮亮が演じるほか、大島優子、田辺誠一、近藤芳正、石橋蓮司、小林聡美といった俳優陣が脇を固める。
撮影は1月27日、東京でクランクイン。3月12日に国内での撮影を終え、3月29日と30日、デモの影響で厳戒態勢が敷かれていたタイ・バンコクでのロケを敢行し、無事にクランクアップを迎えた。もともと、タイのロケは実景のみの予定だったが、宮沢の申し出もあって演技のシーンを取り入れることに。池田史嗣プロデューサーは、「万が一のことも危惧される中、作品のため、そして監督のために勇気ある決断をしてくださった宮沢りえさんに、心から敬意を表します」と称賛の言葉を送る。
また、制作サイドの「周囲の期待値も非常に高く、この作品を一刻も早く完成させ、可能な限り早く、多くの方に見ていただきたい」という思いから、異例の公開前倒しが決定。現在、11月公開に向けて編集作業が進められている。