東洋新薬は4月7日、佐賀県固有の香酸柑橘類「ゲンコウ」の果皮抽出物における育毛作用のメカニズムの1つとして、血流改善作用を臨床試験にて確認したと発表した。同成果の詳細は、「日本薬学会第134年会」において発表された。

これまでの研究から、ゲンコウ果皮抽出物が毛乳頭細胞における育毛に関与する成長因子の発現を亢進させることを細胞・遺伝子レベルで確認しており、動物試験においても育毛作用が確認されている。今回の調査では、ゲンコウ果皮抽出物の育毛作用に関する追加知見を得ることを目的に、臨床試験を行ったという。

具体的には、健常成人6名(34.7±4.3歳、男性2名、女性4名)を対象に、クロス・オーバー法として、ゲンコウ果皮抽出物含有溶液(ゲンコウ群)またはプラセボ溶液(プラセボ群)に片手を1分間浸漬させた後、レーザードップラー血流計を用いて0分後(浸漬直後)、10分後、20分後の指先の皮膚血流量の測定を実施した。

この結果、ゲンコウ群ではプラセボ群と比較して、20分後の皮膚血流量が有意に高くなることが確認されたとのことで、ゲンコウ果皮抽出物の育毛作用のメカニズムの1つとして、血流改善作用が関与していることが示唆されたという。

なお同社では、今後もゲンコウの機能性を探求し、独自性の高い素材開発、商品開発を進めていくとしている。