カネカは3月31日、貧血を発症した猫のクオリティー・オブ・ライフ(QOL)の改善を目指した猫用の貧血治療薬の開発を本格的に進めていくことを発表した。

医療技術の発達により人間に高齢化社会が訪れたように、犬や猫などのペットも獣医療の発達などにより寿命が延びるようになってきた。しかし、猫は高齢になると腎不全を発症することが多く、長寿命化により、その発症数が増加している。また、腎不全に起因する貧血(腎性貧血)を発症することも知られているものの、人間のような有効な治療薬は販売されていなかった。

今回の取り組みは、ヒトの腎性貧血患者用に開発された「エリスロポエチン」のようなタンパク質医薬品を遺伝子組換え技術を活用することで、猫用の「エリスロポエチン」へと改良する技術を活用することで進められる。すでに同技術は確立されており、現在、猫用エリスロポエチンの商業製造の検討および薬事開発が進められており、動物用医薬品としての製造販売承認の取得を目指した取り組みが進められているという。

なお同社では今後、すでに販売している動物用サプリメントのラインアップを増やすとともに動物用のタンパク質医薬品の研究開発を進めていくことで、アニマルヘルスケア分野への展開を強化していきたいとしている。