電通グループのCarat(以下、カラ)は3月28日、世界59地域の広告費の成長率を独自に分析・推計、2014年・2015年の世界の広告費成長率予測を発表した。

年別成長率(2012年から2015年) 資料:Carat

これによると、2013年の世界の広告費の成長率は、2013年9月時の予測である前年比3.0%増を上回り、同3.3%となった。

2014年の世界の広告費は、ロシア・ソチでの冬季オリンピック・パラリンピック、ブラジルでのFIFAワールドカップ、米国での中間選挙などの大イベントによる寄与が前回調査の想定を上回ることから、2013年9月時の前年比4.5%増から同4.8%増へと成長率予測を改定。この結果、2014年の世界の広告費は、5,510億米ドルになると予想。特に成長率が顕著なのは、ラテンアメリカ同12.8%増であり、アジアパシフィック地域も同5.6%増と順調に成長するものと予測している。

2012年、13年とマイナス成長が続いた西ヨーロッパ(英国だけはプラス成長)でも、2014年はプラス成長へと転じ(前年比1.8%増)、その傾向は2015年も維持(同2.1%増)されると予測。北米は引き続き安定した成長(同4.3%増)が見込まれる。

アベノミクス効果や2020年のオリンピック・パラリンピックの開催決定により、日本の広告費の成長率は、2014年、2015年ともに前年比1.7%増と予測。日本は4年連続で前年を上回る見通し。

2015年の世界の広告費は、経済情勢が世界的にポジティブな傾向にあることから、その成長率を前年比5.0%増と予測している。