アルプス電気は3月25日、1モジュールで複数の衛星測位システムへの対応を可能とする、車載用マルチGNSSモジュール「UMSZ2シリーズ」を開発したことを発表した。

自動車のカーナビゲーションシステムを利用するためには、「GNSS(全地球航行衛星システム:Global Navigation Satellite System)」が必要となるが、現在、米国のGPSのほか、ロシアのGLONASS、中国のBDSなどの測位システムが運用を開始しており、欧州のGalileoも運用開始に向けた準備を進めている段階にある。

衛星測位システムの場合、多くの衛星から電波を受信することで、測位の精度を向上できるため、複数の測位システムに対応できるモジュールが求められることとなるほか、一部の国では、自国の測位システムに対応しない製品に対する輸入関税の義務化を検討しており、部品としても複数の測位システムに対応することが必要になってきている。同製品は、そうしたニーズに対応することを目的に開発されたもので、「GPS/GLONASS/Galileo(予定)」に対応するType Aと、「GPS/BDS/Galileo(予定)」に対応するType Bの2品種が用意されている。

いずれも25.0mm×20.0mm×2.6mmの表面実装タイプで、GNSSからの電波受信に必要なアンテナの状態を検出する回路も内蔵しているため、ユーザー側でアンテナ状態検出回路の設計および設置への負荷を低減することが可能となっている。

なお、同製品は2014年4月よりサンプル出荷を開始する予定で、サンプル価格は5000円。量産開始は2014年10月からを予定している。また、オプションとして、トンネル内などで電波を受信できない際に位置情報を更新する、デットレコニング機能の追加も対応させる予定だという。

アルプス電気の車載用マルチGNSSモジュール「UMSZ2シリーズ」のパッケージ外観