musl - a new standard library to power a new generation of Linux-based devices

Cの標準ライブラリlibcの実装系であるmusl(マッソーと発音)の初のメジャーバージョンとなる「musl 1.0.0」が公開された。muslはMITライセンスのもとで提供されているCの標準ライブラリ実装。ソースコードの量が少なく、POSIX互換を実現しつつも軽量高速、スタティックコンパイルでの利用を想定して設計実装されている。

muslはスタティックコンパイルした状態での利用を想定して設計されているため、不必要な機能は一切実装せず、POSIXで必要とされている機能を必要最小限のコードで実装している。ライセンスにもMITライセンスを採用し、さまざまなOSS系のソフトウェアと問題なくスタティックコンパイルできるようになっている。muslのみで独立しておりほかに依存関係を持っていないという特徴もある。

Linux向けに提供されているCの標準ライブラリ実装はほかにもいくつかあり、機能を豊富にすればその分サイズが大きくなり、サイズを小さくすればその分提供する機能が限定されてくるという関係にある。muslはそうした標準ライブラリ実装の中で中間的なポジションにあり、必要最小限の機能は提供しつつサイズも抑えるといった作りになっている。