SCSKは3月20日、日本自動車研究所(JARI)に自動車衝突シミュレーションに活用する科学技術計算用システムとして、日本ヒューレット・パッカード製サーバを高速ネットワークで接続した「並列計算用PCクラスタシステム」を納入し、本格稼働がはじまったことを発表した。

同システムは、計算ノードに2基の「Intel Xeonプロセッサ E5-2643 v2(3.50GHz)」を搭載した「HP ProLiant BL460c Gen8」を16台(計192コア)と、ノード間通信に「Infiniband FDR」を採用、高価な解析アプリケーションを無駄無く活用できるコストパフォーマンスに優れたシステムになっているとのことで、衝撃・衝突解析ソフトウェア「LS-DYNA」による性能比較では、従来の計算機システムに比べ1コアあたり約30%の高速化を実現したとする。

また、解析関連業務(プリポスト)に係る課題については、科学技術計算用システムとワークステーション(プリポスト用端末)を連携させることで、ファイル操作の利便性向上や大規模モデルの最適化を高速に実行できる環境を構築したとするほか、安定したシステム運用に向け、「HPCサポートサービス」として、「トラブルや課題解決のための技術支援」や「システムを効率よく利用するための運用ノウハウ」を提供することで、ユーザーのシステム管理の負担軽減を実現したとする。

なお、SCSKでは、同システムを導入したことにより、大規模シミュレーションを効率的に実行することが可能となり、計算コストの削減と同時に研究開発プロセスの改善に貢献できるものと確信しているとコメントしており、今後も高い計算性能とユーザビリティのバランスを重視した「使いやすい科学技術計算用システム」と、「ユーザーニーズに合わせた柔軟なサポート」を通じて、さまざまな研究開発や解析業務に関わる製造業のユーザーの手伝いを行っていく方針を示している。