「ヤンキー人類学」を開催 提供:月刊チャンプロード

広島県福山市・鞆の津ミュージアムは4月26日~7月21日、展覧会「ヤンキー人類学」を開催する。

ブチ上げ改造単車から相田みつをまで、"アゲと気合い"のヤンキー美学を一挙紹介

同展は、一般的には、否定的理解のもとにおかれてしまう「ヤンキー」文化を肯定的にとらえ直す展覧会。超精巧なデコトラのミニチュア、自作のデコチャリ、ブチ上げ改造単車、ド派手な成人式の衣装、相田みつをの書など、自らを表現せずにはいられないその精神から生み出される、自由で生命力に満ちた表現を紹介するものとなる。

かつて、70~80年代にかけて見られた、リーゼント・変形学生服・特攻服・改造車などに代表される文化を好んだ若者は「ヤンキー」と呼ばれた。しかし、当時、そのようなヤンキー文化は「バッドテイスト」(悪趣味)なものとみなされる社会の周縁的現象であり、いまやほとんど見ることができないものになっている。

しかし、精神科医の斎藤環氏によれば、ヤンキー的美意識や、「気合主義」や「反知性主義」といったヤンキー性は日本文化を構成するひとつの原理として、消滅するどころか、様々なものにかたちをかえて日本社会の随所に偏在しているという。さらに、ヤンキー性は、自己存在の強烈な主張、権威や常識、既成概念に対する反骨精神、そして融通無碍で自由な編集性といった性質によっても特徴づけられ、それは独特の形象を生み出す創造性として発現している。

同館では、同展を通じて、ヤンキー的表現に宿る刹那的で爆発力ある生き様や、そこから放たれる世の中をたくましく生き抜く"仏恥義理(ぶっちぎり)"のパワーを感じて欲しい、としている。

開催日時は、4月26日~7月21日 10時~17時。会場は、鞆の津ミュージアム(広島県福山市鞆町鞆271-1)。休館日は、月・火曜日。ただし、4月28日、29日、5月5日、6日、7月21日は開館。4月30日、5月1日、7日、8日は振替休館。入館料は一般1,000円、小学生以下・障がいのある方は無料。

また会期中は関連イベントとして、トークイベントを開催。相田みつを美術館館長・相田一人(5月11日 17時~19時 参加費1,500円)、都築響一×上野友行(5月25日 17時~19時 参加費2,000円)、脳科学者・茂木健一郎(日程調整中 参加費1,500円)、精神科医・斎藤環(6月15日 15時~17時 参加費1,500円)。会場はすべて鞆こども園(鞆の津ミュージアム裏手)。定員は、各100名(要予約・先着順)。